企業分析をしていると、つい施策を考えたくなる。
顧客データベースを作る。
新サービスを開発する。
業務を標準化する。
若手を育成する。
どれも間違いではない。
でも社員15人ほどの会社の社長から当然のように聞かれる。
「全部はできない。結局、何からやるの?」
まず「需要不足」か「供給不足」か
例えば売上を伸ばしたい会社がある。
すぐに新サービスを考えるのではなく、最初に確認する。
そもそも、お客様が足りないのか。 それとも、仕事はあるのに対応できていないのか。
需要不足なら、顧客深耕や新サービス開発が必要かもしれない。
一方、仕事を断るほど忙しい会社に新サービスを投入すれば、さらに現場が苦しくなる。
その場合は、業務の標準化や若手育成を優先した方がいい。
つまり、
現状把握 → ボトルネック特定 → 投資先決定
の順番で考える。
「何をやるか」より先に、「何が成長を止めているか」を見る。
「その人らしさ」は標準化しなくていい
個々のお客様に合わせたサービスを提供する会社で、仕事を標準化すると個性がなくなるのではないか。
最初はそんな矛盾を感じる。
でも、分けて考えればいい。
成果物は標準化しない。 成果物を作るプロセスを標準化する。
例えば、お客様への最終提案は一人ひとり違っていい。
一方で、
ヒアリング項目、情報の整理方法、過去事例の探し方、企画を作る手順、見積やレビュー方法。
こうした裏側は標準化できる。
以前のトレーニングでも、
「何を作るかは個別化、どう作るかは標準化」
という学びがあった。
今回、それがさらに具体的になった。
「社長と一緒にやる」では、技術継承にならない
属人化の解消も同じだった。
「若手を社長に同行させて覚えてもらう」
だけでは弱い。
必要なのは、
工程を分解する → 社長の判断基準を取り出す → 動画やマニュアルにする → 若手が一部を担当する → 徐々に任せる範囲を広げる → 基準を満たせば移管する
という仕組みだ。
大事なのは、作業手順だけではない。
「なぜ社長はそこでそう判断したのか」
まで残すこと。
属人化しているのは作業ではなく、判断なのかもしれない。
経営者が知りたいのは「で、どっち?」
今回のトレーニングで、自分の考え方が少し変わってきたと感じた。
以前なら、
「データベースを作りましょう」
「新サービスを考えましょう」
「標準化しましょう」
と提案していたかもしれない。
でも経営者が知りたいのは、その前だ。
「うちの成長を止めているのは何なのか?」
そして、
「だから、限られた人とお金をどこに使うのか?」
データ分析やKPIも、その判断をするためにある。
何をするかを答えるのではなく、何を見て、どちらへ進むかを答える。

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