「効率化すれば利益が増える」と、簡単には言えなくなった

成長・マインド

仕事で使える語彙を増やすトレーニングを続けている。

前回感じたのは、言葉が増えると、仕事の問題を一段上の概念で捉えられるようになることだった。

そして最近、もう一つ変化を感じている。

それは、

「Aが増えれば、Bが増える」と簡単には言えなくなったことだ。

「効率化=利益向上」ではない

例えば、ある業務を効率化して、月100時間の作業を削減できたとする。

以前なら、

「工数削減 → コスト削減 → 利益向上」

と考えていたかもしれない。

でも、本当にそうだろうか。

100時間減っても、人件費そのものが減らなければ、会社の支出は変わらない。

そこで必要になるのが、

「高付加価値業務への再配置」

という考え方だ。

空いた100時間を、営業や商品開発など、より価値を生む仕事へ振り向ける。

すると、

効率化 → 余力創出 → 再配置 → 売上・利益への転換

という流れになる。

つまり、

効率化 ≠ 生産性向上

なのだ。

「儲かっている顧客を回れ」も怪しい

営業でも同じだ。

売上や利益の大きい顧客を見つけて、

「この顧客へ営業を集中しよう」

と考える。

一見、正しそうに見える。

しかし、ここで重要になるのが、

「限界収益性」

という言葉だ。

今100万円の利益を出している顧客に、営業をさらに10時間投入しても、利益はほとんど増えないかもしれない。

一方、現在の利益は50万円でも、10時間追加すれば新しい商談が生まれる顧客もいる。

だから、

現在の高収益顧客 ≠ 追加営業の限界収益性が高い顧客

になる。

営業で考えるべきなのは、単なる顧客ランキングではない。

限られた営業工数をどこへ配分すれば、追加利益が最大になるのか。

ここで「営業資源配分」という言葉が意味を持ってくる。

「儲からない商品=撤退」でもない

商品についても同じだった。

単体採算が悪い商品なら、やめれば利益が改善する。

これも、一見正しそうだ。

しかし、その商品があることで他の商品も一緒に購入されていたらどうだろう。

その商品をなくした結果、顧客そのものが離れてしまう可能性もある。

だから、

商品単体採算 ≠ 商品を残す経営合理性

になる。

単品の利益だけではなく、

「他商品への波及効果」

まで考える必要がある。

そこで必要になるのが、

「商品ポートフォリオ管理」

という考え方だ。

商品を「売れている・売れていない」だけで判断するのではなく、

育成するのか。

継続するのか。

改善するのか。

撤退するのか。

役割まで含めて判断する。

データを貯めても、会社は賢くならない

もう一つ印象に残ったのが、

データ蓄積 ≠ 組織学習

という考え方だ。

営業日報、作業記録、顧客の声。

会社には大量のデータが蓄積されている。

しかし、保存されているだけでは何も変わらない。

重要なのは、

何を見て、どう判断し、なぜその行動を選び、結果はどうだったのか。

ここまで残すことだ。

これが「判断ログ」になる。

そして、

異常特定 → 原因 → 対策 → 実行 → 効果判定 → 次の判断

を繰り返す。

そこで初めて、データが「組織学習」に変わっていく。

覚えたいのは、言葉より「≠」かもしれない

振り返ってみると、今週印象に残ったのは難しい言葉そのものではなかった。

むしろ、

作業負荷削減 ≠ コスト削減

効率化 ≠ 生産性向上

顧客価値向上 ≠ 自社利益向上

高収益顧客 ≠ 追加営業の限界収益性が高い顧客

商品単体採算 ≠ 商品を残す経営合理性

という「≠」だった。

以前より、

「本当にそうつながるのか?」

と途中の条件を考えるようになった。

これは、自分にとってかなり大きな変化だと思う。

語彙を増やす目的は、難しい言葉を使えるようになることではない。

物事を雑につなげず、その間に何があるのかを考えられるようになること。

最近は、語彙トレーニングが「言葉の勉強」というより、少しずつ経営を考えるためのトレーニングになってきた気がしている。

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