ここ1年ほど、私は100社を超える企業事例を分析してきた。
最初は、単純な興味だった。
「成長企業には共通点があるのではないか」
そう思ったのが始まりである。
しかし、分析を続けていると、企業だけではなく、自分自身の思考の癖も見えてくる。
今回は、最近改めて感じた、自分の強みと次に乗り越えるべき壁について整理してみたい。
強み① 企業の転換点を見抜く力
企業には必ず転換点がある。
例えば、
- 下請けから自社ブランドへ
- 薄利多売から高付加価値へ
- 職人依存から標準化へ
多くの企業は、この転換点を乗り越えることで成長している。
私は比較的、この
「何が企業を変えたのか」
を見つけることが得意だと思う。
ホテル松本楼で言えば、
「従業員30人の離反」
という危機を、
単なる人間関係の問題ではなく、
従業員ファーストへの構造転換
として捉えることができた。
企業の本質的な転換点を見抜く力は、自分の強みだと思っている。
強み② バラバラな施策を一つの物語にする力
企業の施策は、一見するとバラバラに見える。
しかし実際には、すべてが利益構造につながっている。
例えば、
- 特定顧客への集中
- リピート率向上
- 多能工化
- DX
- 現場改善
これらは別々の施策ではない。
私は、
顧客戦略 × 組織戦略 × 生産性向上
を一つのストーリーとして整理することが比較的得意だ。
最近では、
「勝ち筋」
という形で表現することも増えてきた。
強み③ 未来の地図を描く力
企業分析をしていて、最近特に感じるのは、
私は
未来の姿を描くこと
が好きなのだということだ。
短期。
中期。
長期。
その企業が、どの利益構造へ移行し、どんな姿になっていくのか。
経営者にとっての
未来の地図
を描くことは、自分の大きな強みかもしれない。
一方で、次の壁も見えてきた
分析レベルが上がるにつれ、新たな課題も見えてきた。
課題① KPIの「操作性」
私は時々、
LTVや売上比率などの結果指標を重視しすぎることがある。
しかし、現場が本当に動かせるのは、
- DM送付件数
- 提案件数
- イベント開催数
- 次回予約提案率
といった行動である。
つまり、
「現場が明日から動かせる指標か」
という視点を、もっと意識する必要がある。
課題② 制約条件から考える視点
私は、どうしても
「どう成長するか」
から考えてしまう。
しかし実際には、
- 人手
- 生産能力
- 設備
- 資金
といった制約条件が存在する。
特に中小企業では、
需要を増やす前に、
「今の供給能力で対応できるのか」
を考えなければならない。
今後は、
供給ボトルネックを起点に戦略を考える力を磨きたい。
課題③ 戦略をさらに具体化する力
私は、
「海外展開」
「プラットフォーム化」
といった大きな方向性を描くことはできる。
しかし、
- 誰と誰をつなぐのか
- どの国のどの市場か
- どの紹介チャネルを使うのか
という具体性は、まだ十分ではない。
例えば、
「介護市場」
ではなく、
「要介護高齢者を抱える家族」
まで落とし込む。
こうした解像度をさらに高めたい。
課題④ 心理を構造で語る
私は時々、
「セクショナリズム」
「やる気」
といった心理的な言葉を使ってしまう。
しかし、本来コンサルタントは、
それを構造として説明しなければならない。
例えば、
「部門間の対立」
ではなく、
専門職分業による情報分断
と捉える。
感情ではなく、構造で語る。
これも次の課題である。
まとめ
100社以上の企業を分析して感じるのは、
企業分析とは、結局、自分自身を磨く作業なのだということだ。
そして今の私の強みは、
企業の未来を描き、その未来を利益構造とKPIに落とし込むこと。
一方で、
現場の行動、制約条件、そして実行リアリティ。
ここをさらに磨くことができれば、提案は理想論ではなく、
「必勝の実行プラン」
へ近づいていくのだと思う。

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