データドリブン経営というと、
「まずデータを集めましょう」
となりがちだ。
でも、カホク運送を分析していて思った。
すでにデータを持っている会社に、さらにデータを集めてもらってどうするのか。
日次決算。
顧客別売上。
トラックの位置や稼働状況。
安全運転のスコア。
すでに、かなりのデータがある。
次に必要なのはデータではない。
そのデータを使って、何を決めるかだ。
「儲かっていない荷主」を切ればいいわけではない
例えば、荷主別の採算を分析して、
「A社はあまり儲かっていない」
と分かったとする。
だから取引を減らそう。
……では単純すぎる。
今は儲かっていなくても、今後取引が増えるかもしれない。
自社の強みを生かせるかもしれない。
荷待ち時間を減らせば、一気に採算が良くなるかもしれない。
そこで見るべきなのが、
現在採算 × 将来性
だと思う。
高採算×高将来性なら、取引を伸ばす。
低採算×高将来性なら、改善する。
高採算×低将来性なら、収益を維持する。
低採算×低将来性なら、条件を見直す。
同じ「低採算」でも、やることはまったく違う。
運送業では「いくら儲かったか」だけでは足りない
もう一つ重要なのが時間だ。
例えば、同じ10万円の利益を生む二つの仕事がある。
片方は短時間で終わる。
もう片方は長い荷待ちや荷役が発生し、ドライバーが一日拘束される。
同じ10万円でも、会社にとっての価値は違う。
だから、
売上や粗利だけでなく、
「何時間使って、その利益を生んだのか」
を見る。
時間当たりの採算性が分かれば、
「この荷主は儲からない」
から、
「この荷主は荷待ち時間が長いから採算が悪い」
へ一段深くなる。
そうなれば、
荷待ちを減らせないか。
荷役方法を変えられないか。
配送条件を変えられないか。
運賃を見直せないか。
荷主との具体的な話に変えられる。
データ分析のゴールは「4象限を作ること」ではない
ここは、自分自身の反省でもある。
荷主を4象限に分類して、
「荷主ポートフォリオが完成しました」
では意味がない。
分析はそこからだ。
データ → 採算を知る → 対象を選ぶ → 原因を調べる → 経営判断する → 荷主と改善する → 結果を見る
ここまでつながって、初めてデータが経営に使われたことになる。
ただし、「利益を上げます」と約束するのも違う
今回もう一つ考えたのが、支援者はどこまで成果に責任を持つのか、ということだった。
もちろん、利益改善は目指す。
でも、
「半年後に利益を○%上げます」
と簡単に約束するのは違うと思う。
こちらが分析して改善策を考えても、荷主が条件変更を受け入れるとは限らない。
実際に現場で運用できるとも限らない。
物量や燃料費なども変わる。
支援者が責任を持つべきなのは、
「どの荷主の、何が問題で、何を変えるべきか」を明確にし、経営判断と具体的な改善行動につなげること。
その先の利益改善は、目標として一緒に追いかける。
この線引きは大切だと思う。
データドリブンとは、データを増やすことではない
データを集める。
グラフを作る。
ダッシュボードにする。
それだけなら、会社は何も変わらない。
重要なのは、
「この数字を見て、誰に、何をするのか」
まで決めることだ。
カホク運送を分析していて、改めて感じた。
データドリブン経営とは、データをたくさん持っている経営ではない。
データによって、経営資源の使い方を変えられる経営。
そこまで行って、初めてデータが経営の武器になるのだと思う。

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