売上29億円。震災直後の1.8倍。
新垣通商は、逆風の中で商品軸を入れ替え、沖縄商品で再成長した。
しかし──
ここからが本番だ。
テーマは明確。
売上拡大ではなく、営業利益率をどう上げるか。
今回は、KPIツリーで構造を整理する。
① KGIは「営業利益率」
売上は伸びた。だが、
- 香港・台湾依存
- 卸で価格決定権が弱い
- 売り切り型
このままでは利益は安定しない。
だからKGIは「営業利益率」。
ゴールは売上ではない。粗利が残る構造への転換である。
② 主要KPI(経営レバー)
今回の経営レバーは4つ。
- 粗利率(チャネル別・商品別・事業者別)
- 定期契約率
- 市場分散度(香港依存脱却)
- 販管費比率
ポイントは、“量”ではなく“構造”を置いていることだ。
③ 先行KPI(因果の芯)
主要KPIを動かす因果の芯はここ。
定期契約率を動かす
- 介護・医療事業者サブスク契約率
- 介護・医療事業者サブスク継続率
- 定期契約の商談化率(問い合わせ→提案)
粗利率を動かす
- PB売上比率
- PBリピート率
- 商品企画からの入り込み案件比率
- 購買転換率(提案→売上)
市場分散度を動かす
- 売上比率(香港 vs 国内・アジア)
販管費比率を動かす
- 広告ROI
ここまでは教科書的。だが、本当に重要なのはその下だ。
④ 決定因子(なぜ動かないのか)
KPIが止まる理由は、数字ではない。
心理 × 構造である。
1. 介護・医療サブスクが進まない理由
表面上はこう言われる。
- 知らない
- 高い
- 必要性がない
- 予算がない
- 他社の方が良い
しかし本質は違う。
- ターゲットを絞った発信ができていない
- 定期アプローチができていない
- 価値を定量化できていない
- 比較表がない
- キーマンと接点がない
- 提案が属人化している
つまり、営業力の問題ではなく、提案構造の未設計だ。
2. PBが伸びない理由
- 知られていない
- 他社との差が見えない
- ブランドコンセプトが統一されていない
- 生産体制が弱く量を出せない
要するに、PBはあるが、ブランド設計がない。
3. PBリピート率が低い理由
- 用途提案がない
- 購入後フォローがない
- 比較提示がない
売って終わり。LTV設計がない。
4. 商品企画から入れない理由
- 実績が言語化されていない
- 顧客成果を提示できていない
- 内部で間に合うと思われている
つまり、自社の介入価値が可視化されていない。
5. 広告ROIが低い理由
- ターゲットが曖昧
- 価値を理解しない層に打っている
無駄な広告ではない。ターゲット未設計広告だ。
⑤ 行動KPIは「処方箋」
ここで初めて行動KPIが意味を持つ。
サブスク拡大なら
- 介護・医療事業者向け専用提案資料の整備
- 定期訪問数
- 定期サブスク提案数
PB強化なら
- 用途別発信数
- 沖縄×機能性エビデンス発信数
- 購入者アンケートの改善反映
- リピート向け販促
企画入り込みなら
- 用途活用パンフレット(販促テンプレ)整備数
- 事例コンテンツ作成数
市場分散なら
- 健康展示会参加数
- インバウンドイベント開催数
- SNSからの問い合わせ数/フォロワー数
行動KPIは単体では意味がない。
決定因子に紐づいたとき初めて効く。
⑥ このKPIツリーの本質
このツリーの狙いは、売上最大化ではない。構造転換だ。
- 売り切り型 → 定期型
- 卸依存 → PB強化
- 香港依存 → 市場分散
- 価格交渉弱者 → 指名買い型
そして今回の核心は、心理レイヤー(決定因子)を明示したこと。
ここまで設計して初めて、KPIは「動く」。
結論
新垣通商の課題は商品ではない。構造だ。
そして構造を動かすのは、数字だけではない。心理と設計。
KPIツリーは売上管理表ではない。
事業モデルを進化させる設計図だ。
この会社は今、売れる会社から、儲かる会社へ変わる入り口に立っている。
ここからが、本当の勝負だ。

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