経営者との対話で感じたこと。
それは、
「何をやるべきか」をすぐ答える必要はない
ということだった。
① 施策より先に「経営条件」を確認する
例えば、新しい需要を開拓すべきか、生産能力を高めるべきか。
答えは会社の状態によって変わる。
供給余力あり → 需要開発 供給余力なし → 供給能力強化
つまり、
「○○をやりましょう」
ではなく、
「まず○○を確認しましょう。その結果によって打ち手を変えます」
と答える。
施策ありきではなく、経営条件から優先順位を決める。
② 「人がいない」なら施策を小さくする
人手が足りない会社に、新しい担当者や仕事を増やしても続かない。
そんなときは、
対象を絞る → 集める情報を減らす → 既存業務の中で取る → AIを使う → 小さく試す
と考える。
「誰にやらせるか」より、「どうすれば少ない人数で回るか」を先に考える。
③ 顧客の声を、そのまま答えにしない
顧客の要望を全部商品化すれば、商品数も在庫も増えていく。
顧客の声は「答え」ではなく、機会を見つける材料。
顧客ニーズ × 自社の強み × 収益性 × 実行可能性
が揃ったものだけ、小さく試す。
「顧客が欲しいもの」ではなく、顧客の困りごとを自社の強みでどう解決するかを考える。
④ 数字を知らなくても、判断基準は示せる
「具体的に何を基準にGo/No-Goを決めるのか?」
という問いだった。
会社の実績を知らない状態で、
「粗利率50%以上」
などと答える必要はない。
むしろ危険だ。
そんなときは、
①何を見るか ②何と比較するか ③具体的な基準値は実績データから決める
と答えればいい。
例えば、
粗利率 → 既存の高収益商品以上
購入率 → 過去の新商品実績以上
生産工数 → 主力商品の生産を圧迫しない
在庫 → 一定期間で消化できなければ追加生産しない
と置ける。
数値がなくても、経営判断の物差しは作れる。
⑤ 自分の仮説に固執しない
最初に考えた施策やKPIが、経営者との対話で違うと分かれば捨てる。
これは失敗ではない。
むしろ、
仮説 → 事実確認 → 条件分岐 → 小さく試す → KPIで検証 → 継続・拡大・撤退
と修正できることの方が重要だと思う。
今回、最も残しておきたいのはこの一言。
「施策を答える前に、その施策を選ぶために確認すべき経営条件は何かを考える。」
経営者に必要なのは、もっともらしい施策の一覧ではない。
「御社の場合は、まずここを確認して、その結果ならこうしましょう」
と言えること。
これを今後の経営者対峙で忘れないようにしたい。

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