私は組織長である。
昔は、「出世したい」という気持ちもあったように思う。
管理職になり、組織長になることが、自分のキャリアの一つのゴールだと思っていた。
責任ある立場になり、組織を動かす。
それが仕事の醍醐味だと考えていた。
でも最近、その考えが少し変わってきた。
組織長の仕事は、思っていたものとは違った
今の私の仕事を並べてみる。
メンタルを崩した社員のケア。
トラブルプロジェクトの立て直し。
次から次へと降ってくる事務処理。
限られた人員の配置や調整。
新人のフォロー。
そして、その合間を縫って事業変革への取り組み。
もちろん、どれも必要な仕事である。
誰かがやらなければならない。
だから不満を言いたいわけではない。
ただ、一日の終わりに思うことがある。
「今日は、自分にしかできない仕事をしたのだろうか。」
自分が得意なことは何だったのか
私は、新しい事業を考えることが好きだ。
会社や事業の構造を分析し、
「どうすればもっと良くなるか。」
を考える時間は、何時間でも没頭できる。
一方で、調整や管理、細かな事務処理は決して得意ではない。
嫌いというより、エネルギーを使う。
だから最近、
「自分は向いていない仕事を頑張り続けているのではないか。」
そんなことを考えるようになった。
組織長とは、支える仕事
以前は、組織長とは組織を引っ張る人だと思っていた。
でも実際は少し違う。
組織長は、
問題が起これば矢面に立ち、
人が困れば話を聞き、
足りないところを埋め、
組織全体が前に進めるよう支える存在である。
主役というより、黒子に近い。
誰かが成果を出せるように環境を整える仕事だ。
それはとても重要な役割だと思う。
だからこそ、この仕事に向いている人もいる。
でも、それが自分の人生なのか
最近、自分に問いかけるようになった。
この先も、組織長として働き続けたいのか。
答えは、以前ほど明確ではない。
もちろん、組織長になれたことは貴重な経験だった。
人を見ること。
組織を見ること。
会社全体を見ること。
この立場だから学べたことは、本当に多い。
でも、その経験を積んだからこそ、自分が本当にやりたいことも見えてきた。
私は、人を管理したいのではない。
会社の未来を考えたい。
経営を考えたい。
データを分析し、戦略を描き、企業の成長を支援したい。
そこに一番やりがいを感じる。
「出世」へのこだわりが消えた
以前の私は、「組織長であること」に価値を感じていた。
肩書きが、自分の評価のような気がしていた。
でも今は違う。
肩書きよりも、
「どんな価値を生み出せるか」
の方が大切だと思うようになった。
組織長という肩書きを手放したとしても、
自分の経験や知識がなくなるわけではない。
むしろ、その経験を別の形で活かせるかもしれない。
そう思えるようになったことで、少し気持ちが楽になった。
次の世界へ
来年、私は退職を考えている。
少なくとも、組織長という役割からは離れたいと思っている。
決して、組織長という仕事を否定しているわけではない。
むしろ、今まで経験できたことには感謝している。
ただ、人には向き不向きがある。
そして、人生には役割を変えるタイミングがある。
今の私は、そのタイミングが近づいているのだと思う。
組織長として積み重ねてきた経験は、決して無駄ではない。
人を理解すること。
組織を見ること。
経営を俯瞰すること。
そのすべてを持って、次は「組織を管理する人」ではなく、「企業の未来を一緒に考える人」として、新しい世界へ踏み出したいと思っている。

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