銭湯。
昔は生活インフラだった。
家に風呂がない時代。
仕事終わりに行く場所。
地域のコミュニティ。
でも今は違う。
家に風呂はある。
スーパー銭湯もある。
サウナ専門店もある。
銭湯の数は、最盛期の3分の1まで減った。
普通に考えれば、かなり厳しい業界だと思う。
でも、そんな業界で売上を5倍以上に伸ばした銭湯がある。
狛江湯。
かなり面白い。
最初は「親子ゲンカ」だった
この話でリアルなのはここだ。
3代目と2代目。
かなり揉めている。
理由はシンプル。
変えるか。
変えないか。
「今まで通り」でいい
2代目には、昔の成功体験がある。
だから、変える必要を感じない。
一方で3代目は、時代が変わっていることを感じている。
当然ぶつかる。
しかも、かなり強く。
「お前に何が分かる」
と言われる。
これはかなり苦しい。
でも、コロナで流れが変わる
ここが面白い。
普通、コロナで銭湯は厳しそうに見える。
でも、狛江湯は違った。
客数を維持。
しかも売上増。
ここで3代目は確信する。
「この商売はまだいける」
と。
何を変えたのか
ここが重要。
狛江湯は、単に“風呂”を売るのをやめた。
売り始めたのは、
体験
だ。
「入浴」から「体験」へ
昔の銭湯は、
- 体を洗う場所
- 生活インフラ
- 必要だから行く場所
だった。
でも今の狛江湯は違う。
- リラックスする
- 整う
- 人とつながる
- イベントを楽しむ
- ゆっくり過ごす
つまり、
“目的地”になった。
銭湯なのに、バーカウンター
ここが象徴的だ。
受付に、バーカウンター。
かなり攻めている。
さらに、
- ロウリュ
- 高濃度炭酸泉
- フリーマーケット
- 落語
- 音楽イベント
かなり「銭湯らしくない」。
でも、これが逆に良い。
「手ぶらで行ける」は強い
地味に大事なのがここだ。
浴場にはシャンプーも備え付き。
つまり、準備がいらない。
これはかなり重要。
人は面倒になると行かなくなる。
だから、利用のハードルを下げる。
ここはかなり上手い。
熱湯と水風呂の“メリハリ”
お客様の声に、
「熱湯と水風呂のメリハリが良い」
というものがある。
これは単なる設備の話ではない。
体験設計だ。
つまり、
どう感じるか
まで設計している。
第三の場所を作った
社長が目指したのはここだと思う。
家でもない。
会社でもない。
第三の居場所。
最近、こういう空間はかなり強い。
特に都市部では、孤独感やストレス、疲労感を抱えている人は多い。
だから、
落ち着ける場所
の価値が上がっている。
遠方から来る意味
狛江市は、東京で一番小さい市。
でも、神奈川など遠方から客が来る。
これはかなり重要だ。
つまり、
“近所だから行く”ではなく、“そこに行きたい”になっている。
これは完全にブランドだ。
銭湯から目的地へ
ここが本質。
狛江湯は、銭湯をやっているようで、実は少し違う。
やっているのは、
空間体験ビジネス
だと思う。
だから売上構造も変わる
昔は、入浴料のみ。
でも今は違う。
- サウナ
- タオル
- ビール
- イベント
- グッズ
つまり、滞在時間が伸びる。
客単価も上がる。
かなり理にかなっている。
ただし、課題もある
もちろん、良い話だけではない。
人が増えれば、固定費も増える。
サービスが増えると、管理も複雑になる。
イベントも大変。
つまり、
おしゃれ銭湯は、運営難易度が高い。
だから採算管理が重要
ここはかなり大事。
- 時間帯別
- サービス別
- 商品別
これを見ないと危ない。
特に銭湯は、設備固定費が重い。
だから、
「なんとなく人気」だけでは続かない。
面白いのはBtoB戦略
個人的に、ここはかなり筋が良いと思った。
例えば、
- 建設
- 介護
- 医療
のように、肉体的・心理的ストレスが大きい業界。
ここに福利厚生として使ってもらう。
かなり相性が良い。
「整う」は、福利厚生になる
最近、企業もメンタルケアに敏感だ。
ただ、カウンセリングだけでは弱い場面もある。
実際には、
- 休める
- リラックスできる
- 孤独を減らせる
こういう場所の方が、効果があるケースもある。
銭湯は、意外とそこに刺さる。
ニューヨーク進出の話
建築家から、
「ニューヨークでサウナや銭湯を作らないか」
という話も出ている。
昔なら、考えられなかったと思う。
でも今は、
日本の銭湯文化
自体が価値になる。
この会社の本当の強み
表面的には、
- 炭酸泉
- ロウリュ
- イベント
に見える。
でも本質は違う。
本当に強いのは、
「銭湯とはこうあるべき」を捨てたこと。
「執着しない」が強い
社長の考え方に、
「こうあるべきをなくす」
というものがある。
これは、かなり本質だと思う。
昔の銭湯像に執着しない。
だから、新しい価値を作れた。
最後に
銭湯業界は厳しい。
でも、狛江湯を見ると分かる。
厳しい業界でも、
意味を変えれば生き残れる。
風呂を売るのではない。
居場所を売る。
体験を売る。
コミュニティを売る。
そこまで再定義できるか。
結局、中小企業の戦略は、そこなのだと思う。

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