まねき食品に学ぶ|老舗駅弁会社が「動ける構造」で生き残る理由

勝手に企業診断

駅弁は、動けば売れる。

動かなければ、終わる。

この当たり前の構造を、ここまで体現している会社はあまりない。

まねき食品。

幕の内弁当の元祖。創業は1888年。

そして今も、1日1万食以上を売る。

だが、この会社の本質は「老舗」ではない。

「動き続ける構造」にある。

今回は、その構造を整理してみる。


売上7割減。それでも止まらなかった会社

コロナで人が動かなくなったとき。

駅弁はどうなるか。

答えはシンプルだ。

売れない。

実際、売上は7割減。

普通なら、止まる。

だが、この会社は止まらなかった。

  • ドライブスルー
  • 駅そば
  • テイクアウト
  • 冷凍×EC
  • 直営店
  • サービスエリア

そして今は、スイスで駅弁。パリも視野に入れている。

ここで重要なのは、「頑張った」ことではない。

構造だ。


この会社の本質は「チャネル×保存技術」

まねき食品の強みは、よくこう言われる。

  • 老舗ブランド
  • 駅弁文化

もちろん間違いではない。

だが、それだけでは弱い。

本質はここだ。

時間が経っても美味しい技術
×
販売チャネルの拡張力

つまり、「時間制約を超えた食品」を作れる会社である。

これがあるから、

  • サービスエリア
  • イベント
  • EC
  • 海外

どこでも売れる。

逆に言えば、この構造を持っていない会社は、「場所に縛られる」


構造変化はシンプルだが強い

この会社がやってきたことは、実はシンプルだ。

チャネル

駅 → 駅+直営+イベント+テイクアウト+海外

商品

駅弁 → 駅弁+駅そば+イベント食

つまり、「売る場所」と「売る形」を増やしただけだ。

だが、ここに一貫した軸がある。

“外で食べる食事”

この軸があるから、拡張してもブレない。


課題は明確。「儲けの構造」がまだ甘い

一方で、課題もかなりはっきりしている。

  • 多品種(100種類以上)
  • ロスが出やすい
  • 稼働の波が大きい
  • 外部環境に左右される

つまり、売れているが、構造が重い

ここをどう変えるか。


戦略のポイントは「量」ではなく「構造」

今回考えた戦略のポイントは3つ。

① 短期:まずは儲けを“見える化”する

やるべきことはシンプル。

  • チャネル別
  • 商品別

で採算を分ける。

そして、

  • ロス率
  • 品質維持コスト
  • 稼働率

ここをデータで管理する。

ここをやらずに拡大すると、確実に崩れる。

② 中期:需要を“作る側”に回る

駅で待つビジネスから脱却する。

ポイントはBtoB。

  • イベント事業者
  • アウトドア
  • 企業福利厚生

ここに入り込む。

さらに重要なのは、企画段階から入ることだ。

弁当を売るのではなく、「食の企画」を売る

ここまで行くと、価格競争から外れる。

③ 長期:「BENTO」を輸出する

海外展開は、夢ではなく構造の延長だ。

ただし、いきなり攻めない。

  • 展示会でニーズ確認
  • 売れ筋商品の特定
  • 国内ネットワーク経由で販売

そして並行して、

  • インバウンド向け発信
  • 自社サイトで想起形成

つまり、売る前に“記憶に残す”

これが効いてくる。


この会社の本当の武器

この会社の本当の強みは、駅弁でも、老舗でもない。

「止まらないこと」だ。

ただし、それは気合ではない。

構造で動いている。

  • チャネルを増やす
  • 商品を広げる
  • 保存技術で制約を外す

そして何より、「大黒柱に車輪をつける」

この言葉にすべてが詰まっている。


結論

まねき食品の戦略はシンプルだ。

固定された場所で売る会社から、どこでも売れる会社へ。

ただし、それを支えているのは技術でもブランドでもなく、構造だ。

  • 時間制約を外す技術
  • チャネルを広げる意思
  • データで儲けを管理する力

この3つが揃ったとき、初めて「動ける会社」になる。

そして今の時代、生き残るのは強い会社ではない。

動ける会社だ。

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