先日、初めて北陸地方へ出張した。
仕事での移動なので、もちろん目的は観光ではない。
打ち合わせがあり、時間も限られている。
それでも今回は、出張そのものだけではなく、
「移動中も少し楽しんでみよう」
と思っていた。
普段行かない場所へ向かうのだから、せっかくなら景色も見たい。
知らない町を眺めながら、
「こんなところなんだな」
と思う時間も楽しみたい。
そんな気持ちで出発した。
ところが、窓側の席が取れなかった
遠方へ行く新幹線。
当然、窓側の席を取りたかった。
しかし残念ながら、取れなかった。
せっかく初めて北陸へ行くのに、窓の外をゆっくり眺めることができない。
少しがっかりした。
移動中の景色を楽しむつもりだったので、計画としては早くも崩れたことになる。
とはいえ、不思議なものである。
最初から、
「移動も楽しもう」
と思っていたからか、完全に残念な時間にはならなかった。
景色が見えなくても、いつもとは少し違う
駅の雰囲気。
乗り換える人たち。
聞き慣れない地名。
車内放送。
時々見える窓の外。
それだけでも、普段の移動とは違う。
仕事だけを考えていれば、
「何時間もかかる遠い出張」
で終わる。
しかし、
「今日は知らない土地へ行く」
と思うだけで、同じ移動時間が少し変わる。
結局、楽しさは景色そのものよりも、
自分がその時間をどう見るか
によって変わるのかもしれない。
昔なら、移動時間も仕事をしていたかもしれない
出張の移動中というと、
メールを見る。
資料を直す。
次の打ち合わせを考える。
そんな時間になりがちである。
もちろん仕事なので、それが必要なこともある。
でも、そればかりだと少しもったいない。
せっかく何時間もかけて普段行かない土地へ行くのだから、
時には仕事の手を止めて、
ぼんやりする。
駅を眺める。
知らない土地を感じる。
それくらいの時間があってもいいと思う。
仕事の中に、小さな一服をつくる
今回の出張は、観光旅行ではない。
仕事なので、当然緊張もある。
それでも移動時間だけは、ほんの少し仕事から離れることができた。
窓側ではなかった。
期待していた景色も、それほど見られなかった。
それでも、
「移動を楽しんでみよう」
と思っていたことで、いつもより少し気持ちに余裕があった。
遠方出張というと、
面倒。
疲れる。
時間がかかる。
というイメージが先に立つ。
もちろん、それも事実である。
ただ、見方を少し変えれば、
仕事の中にある、小さな旅
にもなる。
目的地までの数時間。
仕事のことを完全に忘れる必要はない。
でも少しだけ周りを見る。
知らない土地へ来たことを楽しむ。
それだけでも、仕事の一日が少し違って感じられる。
今回の北陸出張は、そんなことを感じた時間だった。
大げさな旅行ではない。
絶景を見たわけでもない。
でも、
仕事中の、ちょっとした一服。
遠方出張には、そんな楽しみ方もあるのだと思う。


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