先日、出張中に新人からこんな質問を受けた。
「部長は、出張の移動中って何を考えているんですか?」
突然の質問だったので、一瞬考えてしまった。
そして、正直に答えた。
「仕事のことかな。」
その瞬間、自分でも思った。
なんて、つまらない人間なんだろう。
出張の楽しみが分からない
私は職業柄、出張が多い。
新幹線に乗っていても、
次の打ち合わせのことを考えている。
お客様への説明はこれで伝わるだろうか。
あの提案で納得してもらえるだろうか。
会議が終われば、
次の仕事の段取りを考える。
ホテルへ戻っても、
資料を見直したり、翌日の予定を確認したりしている。
気が付けば、一日中仕事のことを考えている。
もっと気の利いた答えができなかっただろうか
新人の質問は、
きっとそんな堅い話を期待していたわけではない。
「その土地の美味しいものを食べることかな。」
「朝早く起きて散歩するのが好きなんだ。」
そんな答えでも良かったのかもしれない。
少し笑いも取れただろう。
でも、とっさに出たのは本音だった。
後になって、
「もっと楽しい話ができなかったかな。」
と考えてしまった。
また、自分を責めている
こういうことが、私は意外と多い。
会話が終わってから、
「ああ言えば良かった。」
「別の言い方もあったな。」
と、一人で反省会を始める。
相手は何とも思っていないかもしれない。
それでも、自分の中では引っかかる。
少し大げさかもしれないが、
自分で自分にダメ出しをしているようなものだ。
仕事ばかり考えることは悪いことなのか
一方で、考えてみる。
仕事のことを考えているのは、それだけ真剣だからとも言える。
決して格好いい話ではない。
趣味の話でもない。
でも、それが今の自分なのだろう。
無理に面白い人を演じても、長くは続かない。
新人には、少し夢のない答えだったかもしれない。
それでも、本音で話したという意味では、自分らしかったとも思う。
出張の楽しみは、これから見つければいい
とはいえ、少しだけ思う。
出張の移動時間くらいは、仕事から離れてもいいのではないか。
その土地の景色を見る。
美味しいものを食べる。
本を読む。
そんな時間があってもいい。
仕事のことばかり考えるより、結果として頭も整理されるかもしれない。
新人からの何気ない一言だった。
でも、その一言のおかげで、
私は出張そのものではなく、
自分の仕事との向き合い方を考える時間をもらった気がする。

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