最近、企業診断をしていて強く感じることがある。
KPIツリーを作る前に、もっと先に見るべきものがある。
それが、
「儲けの型」
である。
儲けの型とは何か
難しく考えなくていい。
儲けの型とは、
どこで単価が上がり、どこで回数が増えるか
を見ることだ。
もう少し言うと、
単価の上げ方 × 継続のさせ方
である。
「何を売っているか」だけでは足りない
例えば、ある会社がサポーターを売っているとする。
普通に見ると、
「サポーターを売っている会社」
で終わる。
でも、これでは浅い。
本当に見るべきは、
どう売れているか
である。
売れ方を見る
同じサポーターでも、売れ方はいろいろある。
- 店頭で単品販売している
- 接骨院経由で信用を乗せて売っている
- 法人にまとめて導入している
- 継続利用を前提に販売している
商品は同じでも、儲け方が違う。
まず見るべきは「チャネル×売れ方」
ここが大事だと思う。
何を売っているかではなく、
- 誰に
- どの経路で
- どんな理由で
- どのように買われているのか
ここを見る。
これが分かると、その会社の儲け方が見えてくる。
売上は必ず分解する
次にやることはシンプル。
売上を分解する。
売上 = 単価 × 数量 × 回数
この形で見る。
ここで重要なのは、単に計算式を書くことではない。
見るべきは、
- 単価はどこで上がるのか
- 回数はどこで増えるのか
- 数量は何で決まるのか
ここだ。
単価が上がる場所を見る
単価が上がる理由はいろいろある。
- 専門性が高い
- 信用が乗る
- 手間が減る
- 失敗リスクが下がる
- 見た目や世界観が良い
つまり、顧客が高く払う理由を見る。
回数が増える場所を見る
もう一つは、回数である。
1回買って終わるのか。
何度も使うのか。
定期的に買うのか。
紹介が起きるのか。
追加導入されるのか。
ここを見る。
継続がある会社は強い。
利益の歪みを見る
そして、かなり大事なのがここ。
利益の歪みを見ること。
会社には必ず、
- 売上はあるが利益が出ないチャネル
- 忙しいのに儲からない顧客
- 単発で終わる案件
- 使われていない商品
- 手間ばかりかかるサービス
がある。
これはかなり重要だ。
歪みは「勝ちパターンの裏返し」
儲からない領域を見ると、逆に儲かる領域も見えてくる。
例えば、
- 単発案件が苦しいなら、継続案件が勝ち筋になる
- 価格競争のチャネルが苦しいなら、信用が乗るチャネルが勝ち筋になる
- 手間がかかる顧客が苦しいなら、標準化できる顧客が勝ち筋になる
つまり、歪みはヒントである。
「なぜ勝てているか」を一段深く見る
ここがコンサルとの差だと思う。
表面だけ見ると、
「商品が良い」
で終わる。
でも、本当に見るべきはその奥だ。
- なぜその商品が選ばれているのか
- なぜ高くても買われるのか
- なぜ継続するのか
ここを掘る。
例えばサポーターの場合
表面では、
「サポーターが良い」
となる。
でも一段深く見ると、
- 装着ノウハウで効果が変わる
- 接骨院の信用が乗る
- 法人導入でまとめ買いされる
- 継続利用でリピートが起きる
となる。
ここまで見ると、単なる商品ではなくなる。
再現できる強みに落とす
重要なのは、偶然の売上ではなく、再現できる強みにすることだ。
「売れました」
では弱い。
- なぜ売れたのか
- 次も売れるのか
- 誰がやっても再現できるのか
ここまで見る。
最後は1行でまとめる
儲けの型は、最後に1行で言語化する。
これが大事だ。
例えば、
「装着ノウハウで価値を高め、法人導入と継続利用で収益を積み上げるモデル」
このように書けると、かなり見えやすい。
1行で書けない戦略は弱い
逆に言うと、1行で書けない戦略は、まだ整理できていない。
あれもやる。
これもやる。
サブスクもやる。
直販もやる。
海外もやる。
こうなると、儲けの型がぼやける。
業種ごとに見るポイントは違う
業種ごとに、見るべきレバーは違う。
製造業
- 単価:高難易度・高精度
- 回数:リピート・継続取引
飲食
- 単価:客単価
- 回数:来店頻度・回転率
SaaS
- 単価:契約単価
- 回数:継続率
つまり、業種ごとに儲けの源泉は違う。
KPIから考えるとズレる
ここが最近の反省だ。
自分は、ついKPIから考えていた。
- 営業利益率
- 粗利率
- LTV
- リピート率
もちろん大事だ。
でも、順番が逆だった。
正しい順番は「儲けの型」から
まず、
- この会社はどう儲けているのか
- どこで単価が上がるのか
- どこで継続するのか
そこを見る。
その後にKPIを置く。
つまり、
儲けの型 → KPI
この順番だ。
よくある失敗は「施策から考える」こと
これもかなりある。
- サブスクをやろう
- 直販をやろう
- SNSをやろう
- 法人向けに展開しよう
一見、戦略っぽい。
でも、これだけでは弱い。
構造から考える
先に見るべきは、
- なぜ単価が上がるのか
- なぜ継続するのか
- なぜ選ばれるのか
つまり、構造だ。
施策はその後でいい。
会社を見たら、まずこれを書く
今後、自分が会社を見るときは、まずこの3つを書く。
① 売上分解
単価、数量、回数。
② どこで儲けているか
単価が上がる場所、継続する場所。
③ 1行でまとめる
「〇〇で単価を上げ、〇〇で継続させて儲けている」
これだけで、かなり外しにくくなる。
最後に
儲けの型が見えると、戦略はかなりシンプルになる。
逆に、これが見えないと、施策が増える。
KPIも増える。
やることも増える。
でも、会社は動かない。
結局、見るべきは一つ。
この会社は、
どこで高く売り、どこで繰り返し買われているのか。
ここを見抜くこと。
それが、儲けの型なのだと思う。

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