事業戦略を考える上でのポイント②|生成AIに突かれて分かった「戦略が浅くなる5つのクセ」

DX・IT

前回に続き、今回も生成AIに記事を採点してもらった。

相変わらず厳しい。だが、やはり当たっている。

今回は、5つの企業事例をもとに、自分の戦略立案のクセを整理してみた。見えてきたのは、単なる知識不足ではない。

「どこで思考が浅くなるのか」という、いつものパターンだった。

今日はそれを5つにまとめる。


1.言葉がきれいすぎて、戦略が尖らない

最も多かった指摘はこれだ。

言っていることが、正しい。だが、弱い。

たとえば、

  • 地域ニーズにマッチ
  • 健康支援
  • 体験価値を高める

こういう言葉は一見もっともらしい。

しかし、厳しく言えば、どの会社にも言える。

これでは戦略にならない。

戦略で必要なのは、「その会社が、何で勝つのか」を言い切ることだ。

健康支援ではなく、腸活なのか。高齢者食なのか。日本文化体験なのか。職人ライブなのか。

1行で補足できる具体性がないと、戦略は一気に薄くなる。


2.「何を売るか」はあるが、「どう儲けるか」が弱い

これもかなり痛い指摘だった。

商品やサービスの話は書いている。だが、「どう利益が残る構造なのか」が甘い。

売上を伸ばすことと、利益が出ることは違う。

本当に考えるべきなのは、

  • 高粗利モデルなのか
  • 固定費回収モデルなのか
  • サブスク型なのか
  • 在庫回転で儲けるのか
  • 稼働率で利益を出すのか

という「儲けの型」だ。

単価や契約条件だけでは足りない。

帰り便、在庫構造、供給体制、稼働率。つまり「面」で利益を考えないと、戦略は現場で弱い。


3.表面の強みを見て、本当の強みを外してしまう

これもよくある。

素材がすごい。商品がいい。技術力が高い。そこに目が行く。

だが、顧客が本当に買っている理由は、別にあることが多い。

たとえば、

  • 用途設計力
  • 即納できる在庫体制
  • 試作段階から入れる提案力
  • 社長の伝える力
  • 市場と作り手をつなぐ翻訳力

こういう「裏側の強み」のほうが、実は競争優位だったりする。

つまり、強みは表面で見てはいけない。

設備、人材、材料、案件、営業の入り方。そうやって構造に分解しないと、本質を外す。

そして最後は、「その強みが、顧客が買う理由にどう変わるか」まで翻訳しないといけない。


4.時間軸の組み立てが甘く、話が飛ぶ

私はよくこれをやる。

標準化もできていない。利益の見える化も甘い。それなのに、サブスク、海外展開、高付加価値化と書いてしまう。

順番が飛んでいる。

本来は、

  • 短期で土台を整える
  • 中期でモデル化する
  • 長期で展開する

この流れが必要だ。

もちろん、例外もある。

すでに市場があるなら、能力蓄積を待たずに先に取りにいく判断もある。

だから大事なのは、形式的な短期・中期・長期ではない。

「次の一手の前提条件が整っているか」を見ることだ。

特にサブスクは危ない。品質、供給、生産の安定がないまま始めると、むしろ信用を失う。


5.KPIの因果が浅く、結果指標をレバーだと思ってしまう

これも重要だ。

売上構成比、粗利構成比、リピート率。こういう数字は大事だ。

だが、現場で直接動かせるかと言うと、微妙なものも多い。

結果に近い数字を「先行KPI」として置いてしまうと、現場が止まる。

本当に必要なのは、現場が動かせる数字まで落とすことだ。

たとえば、

稼働率を上げたいなら
→ 段取り時間比率
→ 機械停止時間
→ 空き時間発生要因

リピート率を上げたいなら
→ 来店頻度の習慣化
→ 目的来店商品の構成
→ 購入後フォロー接点

つまり、「なぜその結果が起きるのか」を一段深く掘らないと、KPIはただの観察指標で終わる。


総括

今回あらためて分かったのは、戦略が浅くなるのは、能力不足というより「思考の省略」が原因だということだ。

言葉を丸める。一般論で済ませる。利益構造を詰めない。強みを深掘りしない。因果を1段で止める。

このクセがあると、戦略はそれっぽいが弱くなる。

だから、これから自分に課したい問いはシンプルだ。

  • それって、他の会社でも言えませんか。
  • 誰が、何の目的で、どの数字を動かすのですか。
  • その前提条件は整っていますか。

この問いを雑に流さず、1行ずつ具体化する。

たぶん、それだけで戦略の精度はかなり変わる。

生成AIに採点されるのは、やはり痛い。だが、その痛さはかなり効く。

戦略は、思いつきではない。構造で磨くものだ。

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