― 20日間の修行で見えてきた「本質」 ―
20日以上、KPIツリーについて考え続けてきました。
まだ実践は十分ではありません。正直、修行はこれからです。
それでも、節目として一度まとめます。
これからKPIツリー作成に携わる方が、最低限押さえるべきポイントを5つのステップで整理します。
KPIツリーは「数字を並べる表」ではない。
経営の意思決定を、管理と現場に誤解なく伝える“構造図”である。
1. KPIツリーは「事業構造の模写」である
まず最初に理解すべきこと。KPIツリーは指標整理表ではありません。その会社の「儲けの構造」を写し取った設計図です。
いきなり指標を書き始めない
最初にやることは、数字探しではありません。
- どの事業で儲けているのか
- どこに時間軸があるのか
- 何が利益を決めているのか
事業ポートフォリオを俯瞰することです。
ボトルネックを特定する
戦略を進める上での最大の「詰まり」を見極める。その詰まりが前進しているかを測るのがKGIです。
作成順序を守る
必ずこの順番です。
KGI → 主要KPI → 先行KPI → 行動KPI
行動から考え始めると、ただの施策一覧表になります。
2. 「整理」ではなく「捨てる技術」を磨く
KPI設計で最も多い失敗は「それっぽい指標を全部並べる」ことです。
「全部大事」は意思決定ではない
主要KPIは経営レバーです。資源配分を決める指標です。同時に追えるのは限られます。
絞れない=決められていない。
将来の夢は載せない
海外展開、新規事業、DX高度化…それらが「今の判断」に関係しないなら、載せない勇気。
KPIツリーは夢のロードマップではなく、“今の迷い”を解消する装置です。
3. 各階層の「役割」を明確に分ける
階層が混ざると、ツリーは壊れます。
主要KPI(経営レバー)
経営層が「どこに資源を張るか」を決める指標。最初は定性でもよい。
- DX効率
- ブランド価値
- 重点事業構成比
先行KPI(管理レバー)
管理層が「異常の兆し」を見る指標。結果ではなく「状態」を測る。
- リピート率
- 実車率
- 指名購買率
行動KPI(アクションレバー)
現場が具体的に動くための指標。ここが曖昧だと、全て止まります。
4. 「具体性」と「論理の繋がり」をチェックする
KPIツリーが“使われない”最大原因はここです。
行動KPIは動きが見えるか?
「提案数」だけでは弱い。
- 誰が
- どの会議で
- 週に何回
- どの条件で
運用が想像できる具体性が必要です。
論理が飛んでいないか?
自治体連携数 → 個人案件数、のように中間指標(問い合わせ数など)が抜けると、因果の飛びが起きます。
因果の飛びは、意思決定停止の原因になります。
強みを入れているか?
会社の強みが調整力・標準化力・データ活用力なら、それを尖らせる指標を入れる。
KPIツリーは“守り”ではなく強みの増幅装置です。
5. 会社のステージに合わせて更新する
KPIツリーに正解はありません。問いは常に一つです。
「今、経営は何を決めたいか?」
例:自社ブランド立ち上げ期
経営の迷い:投資を続けるか?撤退するか?
主要KPI:ブランド認知
例:ブランド成長加速期
経営の迷い:どこにリソースを集中するか?
主要KPI:ブランド売上構成比
先行KPI:リピート率/用途定着率
同じ会社でも、ステージでKPIは変わります。同じ指標でも、主要にも先行にもなり得ます。
まとめ
これからKPIツリー作成に携わる方へ。
まず作るべきは、数字の羅列ではなく、因果の構造です。
迷ったときは、この問いに戻る。
- この数字が動かないとき、どこを見る?
- 今、経営は何を決めたい?
この問いに答えられるツリーだけが、“使われるKPIツリー”になります。
そしてここからが本当のスタート。次は「作れる」から「回せる」へ。


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