最近、生成AIに記事を採点してもらうたびに思う。
厳しい。だが、かなり当たっている。
しかも面白いのは、毎回バラバラの指摘を受けているようでいて、実は同じところでつまずいていることだ。
今回は、その「いつものズレ方」を整理してみた。
見えてきたのは、知識不足というより、戦略を考えるときの思考の落とし穴だった。
今日はそれを5つにまとめる。
1.言葉がきれいでも、戦略は尖らない
最も多く指摘されたのはこれだ。
表現が一般的すぎる。
たとえば、
- 履き心地が良い
- 健康支援
- 体験価値
- 標準化
一見、間違っていない。だが、弱い。
なぜなら、それだけでは「顧客がなぜ買うのか」「競合と何が違うのか」が見えないからだ。
戦略で必要なのは、正しい言葉ではなく、尖った言葉だ。
健康支援なら、何か。
- 腸活か
- 低糖質か
- 高齢者食か
- 美容師向けの立ち仕事対策か
ここまで絞らないと、誰でも言える話で終わる。
だから最近は、こう自分に問いかけるようにしている。
「それ、他社でも言えませんか?」
この問いに耐えられない言葉は、戦略から外す。
2.「何を売るか」はあっても、「どう儲けるか」が弱い
これもかなり痛い指摘だった。
商品やサービスの話は書いている。しかし、「その結果、どう利益が残る構造になるのか」が弱い。
売上を伸ばす話と、儲かる話は別だ。
ここを混同すると、売れているのに薄利、忙しいのに儲からない、というよくある地獄に入る。
本当に考えるべきなのは、単価や条件だけではない。
- 生産性
- 在庫回転
- ロット適合
- 供給体制
- 帰り便
- 拠点配置
つまり、利益を「面」で見ることだ。
点としての単価。線としての契約条件。面としての事業構造。
ここまで考えて初めて、戦略になる。
さらに重要なのは、「何を取りにいくか」だけでなく「何を捨てるか」を決めることだ。
戦略とは、選ぶことだ。
3.順番を飛ばすと、戦略はそれっぽく見えて崩れる
これも自分にかなりある。
標準化ができていない。粗利も見えていない。供給も安定していない。
それなのに、
- サブスク
- 海外展開
- 高付加価値化
と書いてしまう。
つまり、話が飛ぶ。
本来はこうだ。
標準化
↓
可視化
↓
モデル化
↓
展開
この順番が崩れると、戦略は一気に危うくなる。
たとえばサブスク。聞こえはいい。だが、成立条件がある。
- 品質が安定しているか
- 供給が安定しているか
- 定期交換需要があるか
- ケアや修理の仕組みがあるか
- データが蓄積するか
これがないまま始めると、継続収益どころか、継続クレームになる。
大事なのは、短期・中期・長期と書くことではない。
「次の一手の前提条件が揃っているか」を確認することだ。
4.KPIを作っても、レバーを外していることがある
これも本質的だった。
KPIを考えるとき、私はときどき結果に近い数字を「動かす数字」だと思ってしまう。
たとえば、
- 海外売上比率
- 売上構成比
- プロセス定着
これらは大事だ。だが、現場で動かせるかと言うと微妙だ。
現場が動かせない数字を置くと、会議で眺めるだけになる。
本当に必要なのは、現場がYes/Noで測れ、実際に動かせる数字だ。
たとえば、
- フォローメール実施率
- 会員登録誘導率
- 提案後3日以内接触率
- 比較表提示率
こういう数字まで落とすと、初めて現場が動く。
さらに言えば、経営レバーそのものを見誤ってはいけない。
営業利益を動かすのは何か。
- 売上なのか
- 粗利率なのか
- 1人当たり付加価値なのか
- 時間当たり利益なのか
ここを外すと、KPIツリー全体がズレる。
5.手段を戦略だと思ってしまう
これもかなり刺さる。
データドリブン経営をする。AIを活用する。ITで効率化する。
全部、大事だ。だが、それ自体は戦略ではない。
それは手段だ。
戦略とは、「何を変えて、何の利益を取りにいくのか」である。
データドリブン経営は理念。AI活用はツール。ITは裏側。
顧客が買うのは、そこではない。
顧客が買うのは、
- 品質保証
- 短納期
- 提案の精度
- 安心感
- 再現性
こうした価値だ。
だから順番は逆にしてはいけない。
まず目的を決める。
- 時間当たり利益を最大化したいのか
- 高粗利顧客に集中したいのか
- 低収益案件を減らしたいのか
その後に、AIやITを置く。
ここを逆にすると、「AIを使いたいから使う」という危ない状態になる。
総括
今回あらためて分かったのは、戦略がズレる原因は、発想不足ではないということだ。
むしろ逆で、
- それっぽい言葉で早くまとめてしまうこと
- 一般論で止めてしまうこと
- 利益構造を詰め切らないこと
- 前提条件を飛ばすこと
- 結果指標をレバーだと思ってしまうこと
このあたりに、自分のクセがある。
だから、これから戦略を考えるときは、次の問いを何度も入れたい。
- それは誰にでも言える話ではないか。
- 顧客が買う理由まで翻訳できているか。
- どう儲かる構造なのか。
- その順番で本当に成立するのか。
- 現場が動かせる数字まで落ちているか。
- それは手段ではなく、目的につながっているか。
戦略は、うまい言葉を並べることではない。
構造を、具体に落とすことだ。
生成AIに突かれるのは痛い。だが、その痛みはかなり効く。
少なくとも私は、まだまだ伸びしろがあると分かった。

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