KPIツリー作成のスキルアップ⑪行動KPIは「どう捨てるか」で、はじめて武器になる

DX・IT

前回の「KPIツリー作成のスキルアップ⑩」では、
行動KPIが形骸化する瞬間について整理しました。

今回はその続きです。
テーマは、少し刺激的ですが、とても重要な問い。

「行動KPIを、どう捨てるか」

ここを避けている限り、
KPIツリーは必ずどこかで止まります。


行動KPIは「疑われ続ける前提の仮説」である

まず、前提をはっきりさせます。

行動KPIは、

  • 正解を当てるためのものではない
  • 守り続けるものでもない

「疑われ続ける前提の仮説」です。

だから、自然と次の問いが出てきます。

  • いつ疑い始めるのか
  • どうなったら、やめるのか
  • やめた後、何に置き換えるのか

今回は、この3点を整理します。


① いつ疑い始めるのか

結論は、かなりシンプルです。

「行動KPIは動いているのに、先行KPIが動かない瞬間」

この状態が続いたときです。

よくある現場の状態を並べると、こうなります。

  • 行動KPIの件数は達成している
  • 報告資料もきれいに揃っている
  • でも、先行KPIが動かない

さらに危険なのは、こんな兆候です。

  • 行動KPIの数字は説明できる
  • でも、先行KPIがなぜ動かないか語られなくなる

これは、

数字管理はできている。
でも、意思決定が止まっている状態。

この瞬間、その行動KPIは
「改善の道具」ではなく、「報告のための数字」になっています。


② どう捨てるか

「捨てる」という言葉は強いですが、
実際にやることは、とてもシンプルです。

「この行動で、何が起きるはずだったか」を言葉にする

例えば、

  • この提案をすれば、何が変わる想定だったのか
  • この確認を増やせば、どの先行KPIが動くはずだったのか

行動 → 先行KPI までを、
因果として説明できるか

もし説明できないなら、その行動KPIは役目を終えています。

重要なのは、
頑張ったかどうかでも、
件数をこなしたかどうかでもありません。

先行KPIを動かす因果が、今も成立しているかです。


③ どう入れ替えるか

捨てた後にやることは、反省会ではありません。

やるべき問いは一つ。

「なぜ、先行KPIが動かなかったのか」

例えば、こんなケース。

  • 提案回数を増やした
  • でも先行KPIは動かない

ここで止まらず、一段掘ります。

  • 提案内容が顧客に合っていないのでは?
  • 条件を満たす顧客以外にも提案していたのでは?
  • 提案内容が属人化して、ばらついているのでは?

これを少し抽象化すると、構造が見えてきます。

  • 量(提案回数)
  • 質(内容が合っているか)
  • 構造(属人化していないか、標準化されているか)

ここから導かれる次の行動KPIは、
必ず「前より狭く、前より具体的」になります。


まとめ

行動KPIは、正解を当てるためのものではありません。

だからこそ、

  • 疑う
  • 捨てる
  • 入れ替える

この3つができて、
はじめてKPIツリーは生き続ける

行動KPIを捨てられない組織は、改善を止めています。
行動KPIを自然に捨てられる組織は、意思決定が回り続けています。

KPIツリーとは、数字の体系ではなく、
意思決定を進化させ続ける装置なのだと思います。

コメント