KPIツリーを作っていて、
一番手が止まりやすいのはどこか?
わたしは、
先行KPI → 行動KPI
この変換だと思っています。
主要KPIや先行KPIまでは、それっぽく置ける。
でも最後の「じゃあ、現場は何をやるの?」で止まる。
今日は、そこだけに絞って整理します。
(KPIツリーを一度は作ったが、行動KPIで詰まったことがある人向けです)
なぜ行動KPIは、こんなにも難しいのか
わたしなりに整理すると、原因はだいたいこの3つです。
① 先行KPIは「状態」であって、行動ではない
これは以前も書きましたが、かなり重要です。
先行KPIは、あくまで状態を表します。
例えば
・リピート率
・実車率
・指名購買率
これらは
「良い/悪い」は分かるけど、
それ自体を“やる”ことはできない。
つまり、先行KPIをそのまま行動KPIにしようとした瞬間、詰みます。
② 行動は、業務プロセスの中に埋もれている
現場の行動は、だいたいこうなっています。
・誰が
・どの業務の中で
・どの情報を見て
・どの判断をしているか
これが言語化されていない。
結果として「行動KPIを考えよう」とすると、
・施策っぽい言葉
・精神論っぽい言葉
になりがちです。
③ KPIを作る人と、動く人が分断されている
これが一番根深い。
KPI設計者(経営・企画)は
・数字を見る
・構造を考える
一方、現場は
・日々の業務を回す
・判断を積み重ねる
この分断があると、KPIは観測で止まり、操作に落ちません。
そこで、わたしがやっている作り方
試行錯誤の結果、今はこんな流れで作っています。
言語化すると、腹落ちしやすくなりました。
① まずは生成AIに、行動案を大量に出させる
先行KPIから、いきなり自分で行動KPIを考えない。
まずは生成AIに相談します。
理由はシンプルで、生成AIは
・業務分解
・因果の候補出し
・過去事例の一般化
がとにかく強いから。
この段階では「正解かどうか」は気にしません。
網羅性、他社事例、論文知見を含めて
多面的に“候補”を出すことが目的です。
② 現場と一緒に「使える行動」だけに絞る
次にやるのは、現場確認。
ここで重要なのは、
・すでにやっていることは除く
・現実的に無理なことも除く
最終的に2〜3個まで絞る。
特に重要なのが、「人が判断しているポイント」です。
例えば、帰り荷の話。
・配車担当が
・前日なのか当日なのか
・どの情報を見て
・何を決めているのか
現場が一番分かっているのは
・どこで時間を食っているか
・どこが詰まりやすいか
・変えられる/変えられない境界
これはデータや一般論だけでは絶対に分からない。
既存業務と接続した形で「自分ごと」として納得してもらう。
ここが最大の山場です。
このとき、必ず仮説を置きます。
この行動を増やすことで、
○○という判断の確率が上がり、
結果として△△(先行KPI)が動く
③ 行動KPIを「業務単位」にまで落とす
ここまで来たら、かなり具体化します。
・誰が
・いつ
・どうやって
・責任者は誰か
まで決める。
例えば
・前日15時までに帰り荷有無を確認した便の割合
・固定ルート以外で追加提案した回数
・荷主に調整連絡を入れた件数
ポイントは3つ。
・誰がやるかが明確
・やった/やらないが判別できる
・既存業務の延長線にある
④ 目標値は「評価用」ではなく「仮置き」
ここで数字を置きますが、評価や査定のためではありません。
目的はただ一つ。行動が回るかどうかを確認するため。
だから
・高すぎてもダメ
・低すぎても意味がない
あくまで仮置きです。
⑤ 試す。ズレたら、戻る
最後は、とにかく試す。
・1週間
・1ヶ月
現場でPDCAを回してもらう。
もしズレていたら
・③に戻る
・④に戻る
・最悪②まで戻る
これは失敗ではありません。
行動KPIは「正解を作るもの」ではない
ここが一番伝えたいところです。
行動KPIは、最初から正解を作るものではありません。
・仮説を置く
・試す
・ズレたら戻る
この往復を前提にすると、先行KPIから行動KPIを落とす作業は
「難しい作業」ではなく「回せる作業」になります。
KPIツリーが動かない原因は、設計力ではなく、
行動に落とすプロセスが設計されていないこと。
また一段、腹落ちしました。

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