企業の組織長という立場で仕事をしていると、ある種の違和感を抱くことがある。
難しい顧客との交渉。
事業全体を俯瞰した判断。
責任を伴う意思決定。
本来、直接部門の役割は「価値を生むこと」のはずだ。
しかし現実はどうか。
間接部門から次から次へと降りてくる依頼。
資料作成、報告、確認、統制。
やった後のフィードバックは特にない。
「あの時間は何だったのだろう」
そんな感覚になることも少なくない。
私はそれを心の中で「時間泥棒」と呼んでいる。
「時間泥棒」は、個人の問題ではない
だが冷静に考えると、これは個人の問題ではない。
構造の問題だ。
大企業は本質的にリスク回避志向が強い。
統制を強め、説明責任を果たそうとする。
その結果、こうなる。
管理が増える
→ 報告が増える
→ 形式業務が増える
→ 現場の時間が減る
というサイクルが生まれる。
間接部門が弱い、という単純な話ではない。
価値とつながっていない管理機能が増えると、組織は重くなる。
AIは何を代替するのか
ここで時代が変わった。
AIは何を代替するか。
- 定型業務
- 資料作成
- 要約
- 分類
- 一次分析
これらは急速に自動化される。
つまり、「価値と直結していない間接業務」は最も置き換えられやすい領域だ。
では、何が残るのか
残るのは、ここだ。
- 責任を持った意思決定
- 曖昧な状況での構造整理
- 顧客との本気の交渉
- 人を動かす力
ここは簡単には代替できない。
私は、淘汰される側にはなりたくない。
管理する人ではなく、構造を設計する人でありたい。
KPIツリーにこだわる理由
KPIツリーにこだわるのも同じ理由だ。
何が利益に効いているのか。
どの行動が構造を変えるのか。
どこに時間を使うべきか。
時間泥棒に怒るのではなく、
時間の使い方を再設計できる人間になれるか。
AI時代は、その問いを突きつけている。
結論:分岐点はここ
時間泥棒を嘆くか、時間を設計する側に回るか。
それが、これからの組織人の分岐点だと思う。

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