KPIツリーを作り続けていると、最近はっきりしてきた感覚があります。
KPIは、定量指標を使うと強くなる。
ただし、置き方を間違えると一気に弱くなる。
今日は、その整理です。
KPIに定量指標を使うと、「強くなる」
例えば、よく出てくる言葉に「ブランド価値の向上」があります。
ただ、これ単体では、正直なところ意思決定に使いにくい。
“良い話”ではあるのですが、何をどう変えるべきかが決まりません。
ここに定量指標を当てはめると、一気に解像度が上がります。
- 用途別 売上比率
- 用途別 指名購買率
この2軸があると、見えるものが変わります。
- どの用途に「ニーズ」があるのか
- その用途で「ちゃんと指名されているのか」
単に売れているのか。
価値が伝わって選ばれているのか。
この違いは、戦略判断において致命的に重要です。
「ブランド価値」が主要KPIにならないケース
ここで、過去に扱った新正堂の例を思い出しました。
新正堂は、すでに
・ブランドが確立され
・用途(お詫び用)が市場に認知されている
会社でした。
この状態で主要KPIを「ブランド価値の向上」に置くと、判断が一段浅くなります。
この会社で経営が決めたいのは、
- ブランドがあるかどうか
ではなく、
- どの用途で、どれだけ「指名され続けているか」
だから、主要KPIは「用途別 指名購買率」まで踏み込んだ方が、経営判断として自然だった、という気づきです。
KPIは「上下関係」で意味を持つ
もう一つ、大事なポイントがあります。
KPIは単体ではなく、上下関係で意味を持つ。
例えば、
- 用途別 売上比率(主要KPI)
- 用途別 指名購買率(先行KPI)
この上下関係があることで、次の問いに答えられるようになります。
- 売上が伸びているのは、指名されているからか?
- それとも、たまたま需要があるだけか?
もし
・売上比率は伸びている
・指名購買率は伸びていない
なら、それは「強いブランド」ではありません。
逆に
・指名購買率は高い
・売上比率がまだ小さい
なら、「育てる価値のある芽」だと判断できます。
このロジックが頭に描けると、KPIを上下に置いた意義が一気にクリアになります。
主要KPIは「抽象→具体」に進化する
ここは前回の気付きの繰り返しになりますね。
主要KPIは固定ではない。事業フェーズに応じて、降りていくもの。
例えば、
- 事業初期:主要KPI=ブランド価値の向上(定性)
- 事業が当たり始めた後:主要KPI=用途別 売上比率(結果)
- さらに踏み込むと:主要KPI=用途別 指名購買率(強さ)
最初は抽象的でいい。
でも事業が進むにつれて、「もう一段、具体で決めにいく」。
これをしないと、KPIツリーは成長を止めます。
まとめ
今日の気づきをまとめると、こうなります。
- KPIは、定量指標を使うと強くなる
- ただし、上下関係がなければ意味がない
- 主要KPIは、事業フェーズに応じて「降りていく」
KPIツリーは、数字を並べる作業ではなく、
「今、経営がどこまで踏み込んで判断したいか」
を表現する構造図。
また一段、KPIツリーの見え方が変わりました。修行は、まだ続きます。

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