KPIツリー作成のスキルアップ⑤:主要KPIか、先行KPIかは「経営が決めたいこと」で決まる

DX・IT

KPIツリー修行、5回目。

今回は、かなり重要なところに気づきました。

「この指標は主要KPIか?先行KPIか?」という問いに、絶対的な正解はないということです。

じゃあ、何で決まるのか。

今のところの結論はシンプルで、今この会社で、経営が何を“決めたい”かで決まる、ということだと思っています。


ステージ①:自社ブランドを立ち上げたばかりの会社

例えば、会社が自社ブランドを立ち上げた直後。

まだ市場で通用するかどうかも分からない。手応えも、正直よく分からない。

このとき、経営が本当に決めたいことは何でしょうか。

  • このブランドに投資を続けるのか
  • どこかで軌道修正すべきか
  • それとも、早めに撤退すべきか

このフェーズで重要なのは、「売上をどこまで伸ばすか」よりも、そもそもこのブランドは“市場に受け入れられているのか”を見極めることです。

そう考えると、この場合のKPIツリーは、例えばこう置くとしっくりきます。

  • 主要KPI:ブランド認知
  • 先行KPI:ブランド売上構成比、ブランド接触後購入率 など

ここでは、ブランド認知が「経営判断の軸」だからです。


ステージ②:ブランド成長を加速させたい会社

一方で、ブランドが一定程度立ち上がり、

「これはいけそうだ」「ここから本気で伸ばしたい」

というフェーズに入った会社もあります。

このとき、経営が決めたいことは変わります。

  • 新商品にリソースを張るのか
  • リピート施策を強化するのか
  • 用途を広げるのか

つまり、ブランドを“どう伸ばすか”の意思決定です。

この場合、例えばこう置く方が自然になります。

  • 主要KPI:ブランド売上構成比
  • 先行KPI:ブランド購入リピート率、用途定着率

このフェーズでは「認知されているか」よりも、成長エンジンが回っているかが経営の関心事だからです。


診断士としての示唆:KPIは「数字の分類」ではなく「意思決定の翻訳」である

ここまで考えて、今の自分なりに整理すると、こうなります。

主要KPIとは

経営が「この方向で行くか/行かないか」を決めるための判断軸

  • 定性でもいい
  • 定量でもいい
  • 数字は「後から」つければいい

先行KPIとは

主要KPIが「動き始めたかどうか」を早く知るための検知メーター

  • 必ず定量
  • 行動と因果でつながっている

すると自然に、次の結論に至ります。

  • 同じ指標が、主要KPIにも先行KPIにもなり得る
  • KPIは数字の分類問題ではない
  • KPIは、意思決定の問題である

「これは主要KPIですか?先行KPIですか?」と迷ったら、先に問うべきはここです。

「今、経営は何を決めたいんだっけ?」

KPIツリーは、数字をきれいに並べる作業ではなく、経営の迷いどころを、管理と現場に誤解なく翻訳する作業です。

まだ修行中ですが、一段ずつですが、視界は開けているような気がします。次も続けます。

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