KPIツリー作成のためのスキルアップ㉑|伴走支援はどこから有償か

DX・IT

KPIツリーを作った。
ダッシュボードも整えた。

それでも会議は変わらない。

このとき問うべきは
「設計が悪いのか」ではありません。

本当に問うべきは、

「誰が、どこまで意思決定に関与しているか」

です。


伴走支援の本質

伴走支援の本質は、会議を回すことではありません。
構造で意思決定を前に進めることです。

つまり、結論から言うと、
有償/無償の切り分け軸は「意思決定にどこまで介在できるか」だと考えます。

  • 無償:入口の関門(自走を前提に「土台」を渡すのみ)
  • 有償:意思決定への同席(判断の質に関与し、構造・優先順位・撤退判断まで踏み込む)

① 無償ゾーン(初期・導入フェーズ)

ここは、伴走会議の前の「準備フェーズ」です。

目的

  • KPIツリーとダッシュボードを「使える状態」にする
  • 伴走会議が成立するインプットを整える

無償① KPIツリーの初期設計レビュー

  • KGI/主要KPI/先行KPIの妥当性確認
  • 上下関係(因果)が破綻していないかの指摘

※ KPIツリー作成はお客様主体。こちらはレビュー・アドバイスに留めます。

無償② ダッシュボード構成の助言

  • 現場/管理/経営の切り分け方

※ 実装は支援しても、解釈・判断はしません。

無償③ KPI運用の型レクチャー

  • 日次/週次/月次の使い分け説明
  • 「行動KPIは仮説」という考え方の共有

無償の境界線(重要)

無償では、以下はやりません。

  • どの行動KPIを捨てるかの判断
  • この先行KPIが効いている/いないの断定
  • 経営判断への意見出し

理由:ここから先は、意思決定への介入になるためです。


② 有償ゾーン(伴走フェーズ)

目的

  • 意思決定の質とスピードを上げる
  • 「回らない」を構造で解消する

有償① 伴走会議の設計・ファシリテーション

内容

  • 会議アジェンダ設計
  • 事実/構造/選択肢の整理
  • 議論が逸れたときの構造再確認

価値
感覚論で30分空回りしていた会議が、15分で選択肢比較に入れるようになります。
これは「会議運営」ではなく、意思決定の質そのものです。

有償② 事前分析(30〜60分)

事前に構造を整理してから会議に臨みます。

  • 先行KPIの異常抽出
    例:
    Aさん:行動KPIは達成 → 先行KPIが動かない
    Bさん:行動KPIは未達 → 先行KPIも動かない
    Cさん:行動KPI達成 → 先行KPIも動いた
    → 見るべきはAさん
  • 非数値ログのAI再分類
    例:自由記述「価格がネックそうだった」
    → 課題分類:価格/可変性:低/再現性:高/発生頻度:直近20件中8件
  • 因果仮説の整理
    主要KPIが動かない
    → 動いていない先行KPIはどれか
    → 行動KPIは本当に“その先行KPIを動かす設計”か
    → ツリーが嘘をついていないか点検
  • 行動KPIの入替案提示(2〜3案)
    案①:量は正しいが対象がズレている → 条件変更
    案②:構造的に効かない → 撤退
    案③:試行回数が不足 → 継続

ポイント
「どれを選ぶか」は経営。
「どんな選択肢を並べるか」はこちら。
ここから有償の意味が発生します。

有償③ 行動KPIの再設計・撤退判断支援

ここが最大の価値ゾーンです。

  • 継続/条件変更/撤退の判断材料作成
  • 撤退理由の構造化(失敗の言語化)
  • 次の仮説への接続(誰に/何を/どう変えて試すか)

価値
努力不足と構造的失敗を切り分け、無駄な努力を止められます。

有償④ KPIツリーの再設計(構造変更)

以下が起きたら、有償再設計です。

  • 主要KPIが機能しなくなった
  • 事業構造が変わった
  • KPIが判断に使われなくなった

= KPIツリーの賞味期限切れです。


③ 有償/無償の境界を一言で説明すると

無償では
「KPIツリーの使い方を教えます」

有償では
「KPIツリーを使って、一緒に判断します」


④ メニュー表に落とすときの整理例

無償

  • KPI設計レビュー
  • 運用レクチャー
  • ダッシュボード助言

有償

  • 伴走会議の設計・運営
  • 事前分析
  • 行動KPIの入替支援
  • 撤退判断の設計

なぜ有償か?
社内では、当事者バイアスがかかります。
撤退と言いづらい。
行動KPIを疑う文化がない。
だから、外部が構造で切ることで前に進められます。


まとめ

伴走支援の価値は、分析でも資料作成でもありません。
「判断を止めないこと」です。

KPIツリーは数字を管理する道具ではない。
意思決定を速く、軽くするための装置です。

そして、その装置を「実際に使わせるところ」から、有償が始まります。

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