KPIツリー作成のスキルアップ⑭-1|KPIツリー×統計学活用の全体ルール(階層別の使い分け)

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KPIツリー × 統計学活用の全体ルール(階層別整理)

今日は、KPIツリーの各階層に対し、統計学の知識がどのように活用されるかについて、わたしの考えを整理する。

本稿は「統計分析のやり方」ではなく、「KPIツリーに実データを与えるときの使い分けルール」を整理したものである。


◆KGI(結果指標)

:営業利益/車両1台あたり利益/ROA

使える統計

  • 記述統計(前年差、前年差率、分布)
  • 前年差分解(要因分解)

やってはいけない

  • KGI同士の相関議論

理由

  • KGIは結果であり、因果を語る場所ではない
  • 「なぜ悪いか」は、この階層では分からない

→ KGIでは「評価」ではなく「現状把握」に徹する。


◆主要KPI(経営レバー)

:売上構成比/1車両あたり月次利益

使える統計

  • 前年差分解
  • セグメント比較(箱ひげ、平均差)
  • 単回帰(仮説確認まで)

主要KPI段階の単回帰では、「相関係数 or 回帰係数の相対順位」だけを見る。
絶対値や有意性は見ない。

判断できること

  • どのレバーが「効いてそうか」

限界線

  • 因果の断定は不可
  • あくまで「当たりをつける段階」

※同一期間・同一母集団・同一粒度で比較する。
※主要KPIそのものが複数の先行KPIで構成されており、どれに影響されているかを整理したい場合のみ単回帰を使う。


◆先行KPI(状態・因果)

:実車率、積載率、欠勤率、指名購買率 など

ここが統計の主戦場。

使える統計

  • 相関分析
  • 重回帰分析
  • 部分相関(残差ベース)

判断できること

  • 主要KPIに独立して効いているか
  • 見かけ倒しの指標かどうか

やっていい断定

  • 「この先行KPIは疑う価値がある/薄い」

やってはいけない

  • p値だけでの採用・棄却
  • 因果と言い切ること

※先行KPIでの統計は、正解を証明するためではなく、絞るために使う。


◆行動KPI(アクションレベル)

:提案数、訪問頻度、改善回数、教育実施数

使える統計

  • 前後比較(Before / After)
  • 単純トレンド
  • 管理図(異常検知)

使わない方がいい

  • 回帰分析
  • 相関分析

理由

  • 行動KPIは「仮説の操作」だから

行動KPIでは、「効いたかどうか」ではなく、「次も試す価値があるか」だけを見る。


◆補足:KPIツリーを分けるかどうか

主要KPIでセグメント別に標準偏差を見たとき、標準偏差が大きい場合は、そもそも同じKPIツリーでは難しい可能性がある。

ただし、「分ける/分けない」の二択ではなく、“共通骨格+分岐点だけ分ける”が実務解。

  • KPIツリーは原則1本
  • 分けても最大2系統まで
  • 完全別ツリーは最後の手段

→ ここまでが全体ルール編(⑭-1)。
次回は、先行KPIにおける統計活用を、実際の手順に落として整理する。

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