技術力はある。
品質も高い。
お客様からの評価も悪くない。
でも、売れない。
実は、技術系の会社で最も多い悩みがこれだ。
そして、この会社も同じ壁にぶつかった。
ライオンパワー。
自動化機械の製造・開発を行う会社だ。
この会社、実はかなり強い
まず前提として、この会社は普通ではない。
- 開発から一貫対応
- カスタマイズ対応
- 特注品対応
- 研究開発部門あり
さらに面白いのが、「人の目」を残していること。
最近の製造業は、自動化=正義になりやすい。
でも、この会社は違う。
最後は人間が確認する。
つまり、
“完全自動化”ではなく、“人と機械の融合”を重視している。
面白いのは「とまつくん」
この会社は、自社製品も持っている。
卓上型遠心塗沫装置。
名前は、
「とまつくん」
少量の血液でも、均一な塗沫標本を作れる装置だ。
かなりニッチ。
でも、こういうニッチ市場は強い。
なぜなら、困っている人にとっては代替が少ないからだ。
ただし、この会社には大問題があった
研究開発部門を作った。
でも、売れない。
さらに悪いことに、ようやく1台売れても問題だらけ。
現場からはこう言われる。
お前らは俺たちの給料で食べている
技術会社あるあるだ。
研究開発は、短期では利益を生まない。
だから、現場と対立しやすい。
本当の問題は“技術”ではない
ここが重要だ。
この会社の問題は、技術不足ではない。
むしろ逆。
技術はある。
問題は、
“組織が分断されていたこと”
だった。
3人創業の落とし穴
この会社には、創業者が3人いた。
結果、部署ごとに完全に分かれてしまった。
交流がない。
典型的なサイロ組織だ。
すると何が起きるか。
- 情報共有されない
- ノウハウが閉じる
- 協力しない
- 部分最適になる
つまり、会社全体として弱くなる。
この会社が変えたのは「組織構造」
ここが、この会社の本当の転換点だ。
現在の社長は、研究開発だけでなく、
“横断チーム”
を作った。
しかも面白い。
単純なスキル管理ではない。
- 技術
- 得意分野
- 個性
まで見える化した。
つまり、
「誰が何をできるか」だけでなく、「誰と組ませると強いか」まで考えている。
この会社の強みは「特注対応」
今後、この会社が戦うべき場所も明確だ。
量産ではない。
海外価格競争でもない。
勝ち筋は、
“面倒くさい案件”
だ。
- 特注
- 試作
- 高精度
- 品質保証付き
- 開発段階から入る案件
ここに寄せる。
なぜか。
競合が減るからだ。
ただし、特注対応にも罠がある
特注対応は利益率が高い。
でも同時に、属人化しやすい。
つまり、人が増えない。
だから、この会社に必要なのは、
「設計の再利用」
だと思う。
本当に必要なのは「設計DB」
特注対応を毎回ゼロからやると、永遠に苦しい。
だから必要なのは、
- 過去案件
- 設計パターン
- 不具合
- 改善履歴
これを蓄積すること。
つまり、
「似た案件」を再利用できる状態を作る。
これは製造業ではかなり効く。
売り切りモデルから抜けられるか
さらに、この会社にはもう一つ課題がある。
売って終わり。
つまり、売上が不安定。
コロナのような環境変化が来ると、一気に苦しくなる。
だから長期では、
- 定期メンテ
- 故障予知
- IoT監視
- 工程改善提案
ここに進むのは自然だ。
重要なのは「順番」
ただし、いきなりIoTではない。
まず必要なのは、
品質保証付きカスタマイズ
で信用を作ること。
その後に、継続サービスへ広げる。
順番を間違えると失敗する。
この会社の本当の面白さ
この会社の面白さは、単なる技術会社ではないこと。
本質は、
「人を活かす設計」
にある。
- 個性を見える化
- 横断チーム
- 研究開発を諦めない
- 特注対応を支える組織
つまり、技術ではなく、
“組織構造”で勝ち始めている。
最後に
技術会社は、
「良いものを作れば売れる」
と思いがちだ。
でも現実は違う。
売れる会社は、
- 組織
- 再利用
- 提案
- 品質保証
- 顧客との継続関係
ここまで設計している。
ライオンパワーが面白いのは、技術だけではなく、
“会社の構造そのもの”を変え始めているところだ。

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