なぜDXは進まないのか?
「DXをやりたいんだけど、何から始めればいい?」
「いろんなツールを入れてみたけど、成果が出ない…」
そんな声を、私は本当にたくさん聞いてきました。
でも、DXが進まない一番の理由は「技術不足」ではありません。
実は、“お客様を知らないままDXを語ろうとする”ことに問題があるのです。
DXの第一歩は「お客様を深く知る」こと
DX提案を成功させるには、まず「現状分析(診断)」が欠かせません。
・売上や利益の推移
・どこで変化が起きたか
・事業別の構造
・会社の歴史や転機
これらを丁寧にひも解くことで、強み・競合との差・ポジショニングがクリアになります。
つまり、「知っている範囲を広げること」がDXの土台になります。
現状分析=数字を見るだけでは足りない
もちろん売上や利益の分解も大事ですが、それだけでは不十分です。
・バリューチェーンでプロセスを分解する
・利益構造を見える化する
さらにおすすめがループ図です。
売上、品質、口コミ、リピート…などの関係性を「循環」として描くと、
どこを強化すれば全体が伸びるか、一気に見えるのです。
実はこれはKPIツリーよりも“直感的”で、経営者にも刺さりやすい手法かもしれません。
分析の先に「DXの基本方針」が生まれる
会社の強みと構造を理解すると、ようやく「どんなDXが有効か?」が見えてきます。
・コスト削減なのか
・価値向上なのか
・新市場開拓なのか
・業務効率化なのか
つまり、DX=IT導入ではなく、価値の再設計なのです。
“ITを知る”前に“価値を知る”
次にやることは、自社の強みにITの事例を掛け合わせること。
ここで役立つのが発想ツールです。
・マンダラチャート(思考を広げる)
・オズボーンのチェックリスト(視点を変える)
・逆転の発想(常識を壊す)
・「不を解消する」発想(ニーズ発見)
こうしたツールを使うと、“技術起点”ではなく“価値起点”でDX案が出せます。
顧客の“行動変容”まで描くと刺さるDXになる
DXはシステム導入で終わりではありません。
「それによって顧客がどう変わるか?」まで考えて初めて意味があります。
例えば、
・行列が減ってストレスがなくなる
・自分にぴったりの商品が選べる
・問い合わせしなくても自動で解決できる
この「体験の変化」こそがDXの本質です。
構造を捉えると、DXは一気に“設計”できるようになる
さらに精度を高めるには、ループ図やKPIツリーを使って構造化します。
・ループに名前をつける(例:ファン拡大ループ、コスト削減ループ)
・時間軸ごとに介入する場所を変える
・自己強化型ループを伸ばす
例えばワークマンの事例を見ると、
「高品質×低価格×専門性→口コミ→ファン→売上→さらに開発投資」
という自己強化ループが成立しています。
発想は「一人で考え抜く+チームで広げる」
ブレストは大事ですが、その前に個人で深く考える時間が必要です。
なぜか?
何も考えていない状態でブレストをすると、浅いアイデアしか出ないからです。
まず一人で「強み」「価値」「顧客の行動」を考え抜き、
その上でチームで発散(マンダラ・逆転・不の解消)すると爆発力が出ます。
最終的にやること:価値を2語で表現する
良いコンセプトは、たった2語で表現できると言われます。
例:
・無印良品=「感じ良い暮らし」
・Netflix=「見る自由」
DXも同じです。
「効率化DX」「感動体験DX」など2語で言語化すると、
社内にも社外にも伝わりやすくなります。
結論:DXは“お客様の未来”を一緒に設計すること
DXとはシステム導入でも、RPAでも、AIでもありません。
「お客様の価値を再定義し、未来のビジネスモデルを作ること」です。
そのためには、
1. 現状を深く理解する(数字+歴史+構造)
2. 強みと価値を見直し、課題を抽出する
3. ITと掛け合わせてアイデアを出す
4. 顧客の体験と行動変容を描く
5. 小さく試して改善する
このプロセスを丁寧に回すことが、DX成功の近道だと私は確信しています。
最後に
DXは「難しいもの」ではありません。
むしろ“正しい順番で考えれば、誰でも提案できるもの”です。
今後もこのブログでは、
・中小企業のリアルなDX事例
・使える分析ツール
・発想の広げ方
・現場で刺さる伝え方
などをわかりやすく発信していきます。
DXを「分かったつもり」で終わらせたくない方は、ぜひまた読みに来てください。


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