会社を潰すのは3代目。
よく言われる話だが、この会社はまさにそこに直面した。
売上7億を作り、そして一瞬で失った
ダイヤ工業は、医療用サポーターのメーカーだ。
整骨院・接骨院5万店のうち、7割と取引している。
普通に見れば、かなり強い会社だ。
だが、3代目はこう感じた。
「このままでは古い」
そこで動く。
- OEM
- 海外展開
しかし、結果は出ない。
売上は伸びず、利益だけ削る。
周囲からの評価は厳しい。
「空回りしている」
起死回生の一手
次に打ったのが、テレビ通販だった。
サプリメーカーと組み、販売する。
これが当たる。
年間7億円。
会社の柱になる。
そして、崩壊
だが、その柱は一瞬で消える。
放送基準に抵触し、打ち切り。
売上7億が消滅する。
社員は辞めていく。
残った言葉はこれだ。
「経営感覚が甘い」
何が間違っていたのか
ここがこの会社の本質だ。
問題は「戦略」ではない。
軸がなかったことである。
- 流行に乗ったチャネル
- 短期的に売れる商品
これに依存した結果、
「一発当たるが、続かない」
構造になっていた。
原点に戻る
転機は、父の考えだった。
「承継は駅伝」
ここでようやく気づく。
自分が勝つのではない。会社を繋ぐのが仕事だ。
本当の強みは何か
答えはシンプルだった。
「体の動きを支える技術」
- 医療用サポーターで培ったノウハウ
- 大学との共同研究
- 身体負担を軽減する設計力
これを活かしたのが、アシストスーツ「ダーウィン」だ。
構造が変わった瞬間
この一手で、会社の構造は変わる。
商品
サポーター → 作業・生活支援ツール
チャネル
接骨院 → 法人+直販
組織
ワンマン → 一体経営
つまり、
「医療用品メーカー」から「動作支援メーカー」へ変わった
この会社の本質
この会社は何をやっているのか。
SDGsでもない。医療機器でもない。
本質はこれだ。
「身体の負担を減らす技術の会社」
だから、
- 物流
- 介護
- 製造
すべてに展開できる。
課題は明確
ただし、まだ弱い部分もある。
① サポーターはコモディティ化
価格競争に巻き込まれる。
② モノ売り依存
需要が不安定になる。
つまり、「構造的に利益が不安定」だということだ。
次にやるべきこと
方向は明確だ。
短期
- 商品別・チャネル別の採算可視化
- 高粗利領域(法人)への集中
- 試作開発と営業プロセスの標準化
中期
- 物流・介護向け用途特化
- 法人向けサービス化(使い方+改善支援)
※サブスクは主戦略ではない。あくまで関係性強化の手段である。
長期
- 一般消費者への展開
- 高齢者・子育て層への直販
この会社から学べること
一番重要なのはここだ。
「一発当てる」のではなく、「構造を作る」こと
テレビ通販は当たった。だが、残らなかった。
ダーウィンは違う。会社の強みから生まれている。
だから、積み上がる。
最後に
経営は、センスではない。
構造である。
- 何で勝つのか
- どこで利益が出るのか
- なぜ続くのか
ここを外すと、必ず崩れる。
逆に言えば、ここさえ外さなければ、会社は伸びる。

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