「DXがなかなか進まない…」そんな声を現場でよく耳にします。
でも実は、これはDXの定義をどう捉えるかによって大きく変わる話なのです。
DXには大きく分けて 3つのフェーズ があります。
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🔸フェーズ① デジタルゼーション(情報のデジタル化)
まずは一番地味だけれど、土台になるフェーズです。
紙を電子化する、人が目でやっていたチェックをシステム化する――いわば「情報をデジタル化する」段階です。
成果が見えにくいので「意味があるのか?」と思われがちですが、DXを推進するには避けて通れない第一歩だと私は考えています。
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🔸フェーズ② デジタライゼーション(業務プロセスの効率化)
次は、業務全体の流れを効率化するフェーズです。
たとえば…
• ファックスや紙での受注処理をOCR化する
• 請求書のやり取りをEDIに変える
このフェーズでは、主に コスト削減や効率化 がゴールになります。
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🔸フェーズ③ トゥルーDX(新たな価値創造)
多くの人が「DX」と聞いて思い浮かべるのはここでしょう。
• データドリブン経営で収益拡大
• SNSやWebを活用した新しい顧客体験(CX)の創出
• 従業員の負担を減らす仕組み(EX)の構築
会議や移動に時間を奪われていた従業員が、デジタルのおかげで本来の価値ある仕事に集中できる。
これこそDXの本質であり、CX(顧客体験)とEX(従業員体験)を高めるための仕組みづくりなのでしょうね。
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🔸中小企業への学び
DXを「魔法の杖」と考えると、どうしても挫折します。
でも、3つのフェーズを順番に積み上げると、確実に成果につながります。
1. 地味でも「情報をデジタル化」する
2. プロセス効率化で「時間を生み出す」
3. 生まれた余力で「新たな価値を創造する」
私は中小企業支援の中で、「いきなり③を狙わず、①②を経て③につなげる」ことが最も現実的だと感じています。


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