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🔸従来の発想法とこれからの発想法
これまで新規事業開発は、
1. デザイン思考で顧客ニーズを捉える
2. ロジカル思考で課題を解決するサービスを組み立てる
3. 市場に展開して事業を拡大する
という流れが主流でした。
つまり、「市場の声に応える」発想が中心だったのです。
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一方、これからのDX時代に求められるのは、
「自分は何をしたいのか(アート思考)」を起点に、デザイン思考・ロジカル思考へとつなげていくやり方らしい。
これにより、主体性を持った創造性の高いサービスが生まれやすくなりますね。
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🔸新事業を阻む「3つの壁」
ただし、このアプローチを実現するには「3つの壁」があります。
1. 個人の壁
• 自分の経験やノウハウが足りない
• 新しい発想が生まれにくい
2. チームの壁
• 心理的安全性が低い
• 大企業病で「新しいことを考えようとしない」文化
3. 経営者の壁
• 失敗を許容せず、やり直しを認めない
• 過去の成功体験に固執する
これらを突破しなければ、どんなに良いアイデアも実現しません。
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🔸事例:フジフイルムの事業転換
好例はフジフイルムです。
フィルム事業の衰退を前に、「フィルムに含まれるコラーゲン技術を化粧品に応用する」発想で事業転換しました。
これは単なるニーズ対応ではなく、
自社技術と市場の新しい接点を結びつけた発想=新結合の実践例です。
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🔸実践方法:マインドマップで新結合を探す
新しい発想を生み出す手法のひとつが、「マインドマップ」です。
1. 自社・自組織を中央に置いたマインドマップを描く
技術・顧客・資産・強みなどを書き出していく。
2. 自分自身を中央に置いたマインドマップを描く
興味・得意分野・やりたいことを書き出していく
3. 2つを見比べ、要素を結びつける
会議室 × 鎌倉 × バス → 「移動会議+ワーケーションサービス」
こうして「自分がしたいこと」と「組織の強み」を結びつけることで、
新しいサービスのタネが生まれるかもしれません。
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🔸診断士の視点:DXを生むために必要なこと
診断士として感じるのは、フレームワークを知ること自体が第一歩かなと思います。
「新規事業は特別な人だけが考えられるもの」ではなく、誰でもツールを使えば発想の幅を広げられます。
• 個人は「やりたいこと」を棚卸しする
• チームは心理的安全性を高め、意見を出しやすくする
• 経営者は「何度もやり直せる文化」をつくる
これを意識するだけで、DXを生み出す土壌が整っていくのかもしれませんね。


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