1951年創業、従業員174名。屋根部品メーカーとして国内トップクラスのシェアを誇るサカタ製作所。
しかし、この華々しい現在の姿の裏側には、リーマンショックによる赤字転落・上場断念・社長の心筋梗塞・月170時間の残業が当たり前という、壮絶な過去がありました。
そこから同社は「残業ゼロ宣言」と大規模なDX改革を推進。政府から複数の賞を獲得し、業界からも高く評価される企業へと進化を遂げます。
■ 経営者の決意:残業ゼロ宣言の裏にあった本当の覚悟
かつてサカタ製作所は「働き方が壊れていた会社」でした。月170時間の残業が常態化し、生産管理は属人化。リーマンショックで赤字転落し、社長自身も心筋梗塞で倒れるなど、企業として危機的状況でした。
そこで社長が掲げたのが 「残業ゼロ」。
当初は給与が減る社員も出て反発も起きましたが、徹底した業務棚卸し、工程改善、IT化、マインド改革により、ついに残業ゼロを実現。
この成功は政府にも評価され、さまざまなアワードを受賞するまでになりました。
■ 強み:多品種少量×DXを使いこなす「唯一無二の生産体制」
- 屋根部品5万種類の多品種ラインナップ
- 残業ゼロを実現する改善文化
- 耐久性・積雪量・風圧のシミュレーション技術
- 生産工程の可視化、社内SNSなど、高度なIT活用
この「効率 × 多品種 × 品質 × DX」を同時に成立させられる企業は、日本でも珍しいと思います。
▼ 診断士としてのアドバイス(今後の伸びしろ)
サカタ製作所の次なる飛躍には、以下の4つが鍵になります。
① 広げる:新たな収益の柱 屋根 × DX の新事業で“第二の収益源”を作る
屋根メーカーの枠を超え、「屋根DX企業」としてのポジションを確立できます。
● 提供すべきDXサービス案(新規サービス+既存で使っているツールを拡張)
- 建物寸法を入力すると必要部材を自動算出する「屋根部材AI」
- 積雪・風圧・耐久性の診断システム(自社で扱っているツールだが、外販を検討しては?)
- 施工手順の動画マニュアル・品質検査アプリ
- 現場写真からリスク箇所を自動検知する画像AI
● 収益モデル 収益の柱を広げる
- 工務店向けサブスク(月額1〜5万円)例えば、台風前と後での屋根点検+軽微修繕サービスなど。スポットであれば個人向けに利用できるかもしれない。
- 施工会社向けDX教育プログラム(定期勉強会の開催など)
- 残業削減のためのコンサルサービス
- インテリアメーカー・収納メーカーとの協業した自社商品の開発
→ 部品依存から脱却でき、景気変動に強い経営基盤をつくれます。
② IT化:多品種少量の“構造的課題”をデータで解決する
● 必須となるデータ化対象
- 部品別需要予測
- 生産ライン稼働率
- 品番ごとの貢献利益
- 在庫回転率
- 不良発生ポイント
● KPI例
- 在庫滞留日数
- 生産計画遵守率
- 工場稼働率
- 受注変動吸収率
屋根部材5万種類は、強みでありコスト要因でもあります。
標準化・ユニット化を進めることで、生産効率が大幅に改善します。
さらに、発展させ、会社全体で、データドリブン経営を進めることも可能。
③ 絞る:海外市場は「台風・豪雪エリア」に狙いを定める
屋根部品は世界的に需要があるものの、とくに以下の地域は日本製の耐久性が刺さりやすい。
- 東南アジア(台風常襲)
- 台湾(強風・密集住宅)
- 北米(積雪荷重)
- アフリカ沿岸(強風災害)
→「耐風屋根キット」「豪雪耐性屋根」など用途別ブランド展開が有効。
④ 組織改革:技能を“見える化”して継承し、強い組織にする
● やるべき組織施策
- 職種別スキルマップの整備
- 作業動画マニュアルの体系化
- 改善テーマ(在庫削減・納期遵守・不良削減)の毎月運用
- IT・DX人材育成プログラムの設計
→ 現在の“DX体質”を永続的な文化として定着させることが重要。
■ まとめ:サカタ製作所が目指すべき未来像
サカタ製作所は「屋根部品メーカー」で終わる企業ではありません。
屋根 × DX × 働き方改革の日本代表企業
というポジションに進化できる可能性を持っています。
残業ゼロ・DX・高品質という3つの武器を掛け合わせ、次の10年は“非連続の成長”が期待できます。


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