地方におけるIT企業の成功モデルとして注目を集めるのが、岐阜県に本社を置くホームページ制作会社・リーピーです。
2013年創業、従業員38名という中規模企業ながら、年間500件以上の制作依頼を受けるという驚異的な実績を誇ります。
それを支えるのは、「営業をしない」という逆転の発想と、「働きやすさ」と「提案力」を両立させた独自の経営哲学です。
経営者の決意:地方でウェブの価値を広める使命
代表は、「地方の企業にこそ、ウェブの力が必要」と語ります。
東京発のトレンドを追うのではなく、地方に根差したIT支援こそが自社の存在意義。
かつてブラック企業的な働き方に疑問を持ち、「社員が心から誇れる会社」を目指して経営を再構築しました。
現在では男性の育児休暇を義務化し、働く場所や時間も社員に任せるという柔軟な組織文化を実現しています。
強み:経営に寄り添うホームページ制作
リーピーが他社と違うのは、「デザイン」よりも「経営」を見ている点です。
お客様の事業戦略・強み・顧客の声に深く入り込み、サイト全体の企画や構成をゼロから設計。
単なる制作会社ではなく、「経営戦略を伝えるパートナー」として位置づけられています。
特筆すべきは、年間500件という圧倒的な制作依頼実績にもかかわらず、営業活動を一切行っていないこと。
すべて口コミ・紹介だけで成長を続けているのです。
この信頼の連鎖こそが、リーピーの最大のブランド資産です。
組織改革と人材育成:見える化と自律の両立
リーピーでは、情報共有の仕組みを徹底しています。
案件の進行状況、メンバーの稼働、個人ごとの生産性まで可視化。
定期的に振り返りを行うことで、チーム全体が学び合う文化を育てています。
単に“働きやすさ”を整えるだけでなく、成長と成果を両立させる「自律型組織」を構築している点が印象的です。
診断士としての視点:リーピーがさらに進化するための提案
① 伝える:発信のプロが「発信の在り方」を語る
SNSを通じて、制作事例やお客様の声を発信するだけでなく、
「中小企業がホームページで失敗する理由」「発注先の見極め方」など、教育的なコンテンツを発信する(「徹底的なお客様目線に立つ」)ことで、
“信頼される制作パートナー”という立ち位置を明確化できます。
自社の理念として「経営が伝わるデザイン」「社長の思いを形にするサイトづくり」を強く打ち出すと効果的です(「自社の在り方を示す」)。
② 広げる:コンサルティング型のサービス展開
制作受注だけでなく、「アクセスログ分析 × 改善提案」を軸にしたサブスクサービス化が有望です。データ分析によって、クライアントの集客・成約率改善を支援し、継続的な関係を築くモデルへ発展できます。
③ 組織改革・人材育成:ナレッジを共有資産に
強みの源泉であるヒアリング力・企画力を形式知化し、
「ヒアリングシート」や「質問テンプレート」、「UI・構成要素のパーツ化」などを整備。
個人のノウハウを組織の資産へと転換する仕組みが鍵になります。
④ コラボ:地域・士業との連携によるブランド強化
商工会議所や士業ネットワークでの講演・共創活動を通じて、
「地方企業のデジタル発信を支援する専門家集団」としてのブランドを高めることができます。
⑤ IT化:生成AIによる提案力の強化
提案書や構成案のドラフトを自動生成する生成AIを導入することで、
クリエイターの思考時間を確保し、より本質的な企画提案に集中できる環境を整える。
これにより「デザイン力+構想力」の両面で差別化が可能になります。
おわりに
リーピーは、地方という舞台で「IT企業の理想像」を体現している企業です。
働きやすさを追求しながらも、妥協しないクオリティと提案力を維持している。
まさに“ウェブの力で地方を変える”という理念を実践する存在です。
「地域密着×口コミ成長×データ活用」
この三本柱が、これからの中小IT企業の生きる道を示しています。


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