【勝手に企業診断】北四国グラビア印刷 ― 品質と伴走で信頼をつかむ印刷会社の挑戦

勝手に企業診断

印刷業界は価格競争が激しく、技術の進化も早い“過酷な市場”。
そんな中で北四国グラビア印刷は、単なる効率化ではなく、「品質への執念」と「お客様と伴走する姿勢」で信頼を勝ち取り続けています。
今回は「なぜこの会社が選ばれ続けるのか?」を深掘りしながら、中小企業にも応用できる学びを整理します。

経営者の決意:苦言と挫折からの再起

かつて売上の7割を占めていた主要取引先から突然の指摘。
「品質が悪い。全然ダメ」
普通なら心が折れてしまう場面ですが、ここで逃げずに衛生管理を徹底する新工場を設立。品質が向上し、売上も回復しました。

しかし、その後主要取引先が吸収合併され、長年の取引が縮小。再び大きなピンチに直面します。
それでも諦めず「パッケージ品質の鍵は“版”にある」と考え、製版を内製化し、大きな投資を決断。この覚悟の判断が、のちの競争力につながりました。

強み①:パッケージ一貫生産による「速さ」と「柔軟性」

企画・デザイン・製版・印刷・加工までワンストップで提供できる体制を構築。
これにより、
・納期が短縮できる
・急な仕様変更にも対応
・お客様と初期段階から企画できる
デザイン+原材料表示(版下)をセットで作れるメーカーは珍しく、他社にはない価値となっています。

強み②:お客様と“伴走”する提案姿勢

お客様からはこんな声が多数。
「スタッフ全員が、自分たちのチームの一員のように寄り添ってくれる」
「色づかいや企画まで一緒に悩んでくれる」
ただ印刷するだけではなく、「どうすれば売れるか?」まで一緒に考える伴走スタイルが、高い信頼とリピートを生み出しています。

強み③:環境配慮とコラボによる価値創造

植物由来のパッケージなど、環境対応型の商品開発にも積極的。
さらに地域企業とのコラボで、新しい商品や価値の創造にも取り組んでいます。
「印刷会社」という枠を超えた発想が、この会社の面白さです。

取扱実績:320社・3500種類のパッケージ

食品を中心に、これだけのパッケージを手がけているのは、一貫体制による対応力と信頼の証だと感じます。

診断士としての視点:さらに成長するための提案

すでに食品以外(化粧品など)への展開や環境配慮パッケージも進めており、非常に攻めの姿勢がある会社です。

その上で、さらに伸ばすための方向性として以下の提案を考えました。

① お客様の「不」を解決するサービス

  • パッケージ企画・設計代行(「会社の強みやストーリー」を考慮した企画・設計支援)
  • 売れるデザインの提案
  • ロットやコストを踏まえた最適パッケージ設計

② 伝える力の強化

  • 工場見学(信頼構築・採用にも有効)
  • SNSで製造ストーリーや成功事例を配信

③ 機能性パッケージの拡大

  • 遮光・抗菌・防湿など機能性で差別化
  • 医療・介護・ペット市場も視野に

④ 川下への展開(お客様のさらに先へ)

「パッケージを作る」から「売れる仕組みまで提案」する存在へ。
小売やECの経験者とコラボし、
・販売方法
・棚の取り方
・ECでの見せ方
まで支援できれば、
“印刷会社”から“売上をつくるパートナー”へと進化できます。

まとめ

北四国グラビア印刷は、単なる技術だけではなく「姿勢」で選ばれている会社です。

✔ お客様と本気で向き合う
✔ 投資を恐れず品質を追求
✔ 一貫体制でスピードと柔軟性を実現
✔ コラボで新しい価値を創造

これはまさに、これからの時代に必要とされる「伴走型企業」のモデルケースだと感じました。
中小企業にとっても、多くの学びがある事例です。

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