🔸経営者の決意
先代の体調不良をきっかけに、事業承継の決断を下した二代目社長。
しかし直後にコロナ禍が襲い、飲食店からの注文はゼロに。
「やれることを、やってみよう」——その一言で始めたのが、ドライブスルー青果店だった。
人との接触を避けたい時期でも、野菜を届ける仕組みを即座に立ち上げ、売上を維持。
ピンチの中でも行動を止めなかった姿勢が、地域住民の心をつかんだ。
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🔸強み:地域に根ざした“野菜のテーマパーク”
WAKATSUやさいのナイトウの最大の魅力は、「野菜を楽しむ体験」にある。
• 200種類を超える圧倒的な品揃え
• 芋だけで10種類以上あるバリエーション
• 農家からの直送仕入れで、市場を通さず価格を抑制
• 野菜ソムリエが常駐し、調理法や保存法をアドバイス
• 手書きのPOPが楽しく、買い物がエンタメになる
さらに、地域イベントへの積極参加により、地元密着型の青果店として高い認知を得ている。
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🔸チャネル展開と多角化の工夫
コンビニへの委託販売やジューススタンド運営、飲食店への卸など、チャネルを柔軟に拡大。
“お客様の生活動線の中に野菜を届ける”発想が光る。
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🔸診断士としてのコメント
今後の成長戦略として、デジタル×健康を融合させた取り組みが有効だろう。
特に、私が感じたのは、この会社が「野菜を売る店」ではなく「健康と楽しさを届けるプロデューサー」の強みを活かした方が良いのではという点。
今後は、SNSで“食べ方と暮らし方”をテーマに発信していくと良いかもしれない。
たとえば──
• SNSやウェブで「疲労回復」「免疫アップ」など健康テーマを発信
子どもが喜ぶ「野菜嫌い克服レシピ」、高齢者向け「減塩・やさしい食事」
• 季節ごとの「疲労回復・免疫アップ食」
• 管理栄養士・薬膳アドバイザーとのコラボで「食×健康」ブランドを構築
「野菜ソムリエ監修のサブスクサービス(定期便)」も面白いだろう。
さらに、購買履歴をもとに「あなたへのおすすめレシピ」を提案したり、
生産者の顔が見えるQRコードを貼るなど、データを活かした信頼づくりも有効だ。
「地域の八百屋」から「健康と食をデザインするブランド」へ。
野菜は“消える商品”だが、信頼と物語は残る。
だからこそ、この会社のように「人の温度を感じるデジタル活用」が、地域の未来を照らしていくのだと思う。
WAKATSUやさいのナイトウの挑戦は、まさに中小企業の新しい成功モデルと思います。


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