2004年創業のベンチャーウイスキーは、埼玉県秩父市を拠点とする小規模ウイスキーメーカーです。経営不振で会社売却に至り、在庫の廃棄を求められるという危機に直面しましたが、社長は「絶対に廃棄はしない」と信念を貫きました。この強い姿勢こそが、その後の奇跡的な復活につながります。
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🔸強みと挑戦
• 伝統的な蒸留スタイル:昔ながらの製法を守り、手間を惜しまない。
• 社長の熱意と行動力:ウイスキーの魅力を広めるため、自らバーに営業に出向きました。
• 口コミ戦略:ウイスキー愛好家に火がつき、SNSやバーを通じてブランドが広がっていきました。
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🔸自社商品と世界的評価
代表ブランドの「イチローズ・モルト」は、世界的なウイスキーコンテストで数々の賞を受賞。
特に「シングルカスク」をトランプカードに見立てたユニークなパッケージ(クイーン、キング、ダイヤなど)は、希少性と遊び心を兼ね備え、コアなファンの心をつかみました。
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🔸診断士としての視点:次の成長に向けて
ベンチャーウイスキーの成功は、「伝える力」と「ファンを巻き込む仕組み」にありました。今後を考えると——
• ブランド強化:SNSでの製造工程紹介、テイスティングノート公開、蒸留所見学ツアー。
• 限定性イベント:シングルカスクを用いた特別販売や会員制テイスティング会。
• 商品展開の広がり:ジン・ラム・ウォッカといった蒸留酒への応用。日本酒メーカーやアーティストとのコラボ。
• 新しい価値提案:健康志向に応えるノンアルコールウイスキーや、カロリーの低さを訴求した商品開発。
お客様に「上質なゆとり空間」を届けるという価値を起点に、多角的なブランド展開が期待されます。
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🔸学びポイント
ベンチャーウイスキーの事例から学べるのは、小さな会社でも「捨てない信念」と「ファンづくり」で世界に羽ばたけるということ。中小企業にとって、強い思いとユニークな仕掛けこそが最大の武器になるのでしょう。


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