1973年創業の佐賀冷凍食品。
経営者の信念は、「佐賀の魅力を発信する」というシンプルかつ強い思いです。
単なるメーカーではなく、地元の食材をつなぐフードプロデューサーとしての役割を果たしています。
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🔸経営者の決意
経営者は、佐賀の食を次世代につなぐため、あえて手間のかかる方法を選んでいます。
効率化ではなく「手作業中心」にこだわり、シェフが完成まで関わる体制を敷く。
そこには、「佐賀らしい美味しさを届けたい」という強い覚悟を感じました。
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🔸強み:手作業と技術の融合
• 手作業による丁寧な加工(逆転の発想)
• 3Dフリーザーによる品質保持
• 生産者・調理人との強固なネットワーク
この3つが同社の強みです。大量生産型とは一線を画す“職人の冷凍食品”を実現しています。
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🔸自社商品:あえての高価格帯
「冷凍=安い」というイメージを覆し、あえて高価格帯で勝負。
• レンジで調理できるステーキ
• 高級おにぎり
といった商品は、「価値を理解できる消費者層」に支持され、百貨店や海外市場でも展開されています。
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🔸不の解消:フードロス対策
特に注目すべきは、社会課題解決とリンクした商品作り。
高校生と連携し、食品ロス削減に取り組んでいます。
例えば、規格外の玉ねぎを使い、冷凍玉ねぎみじん切りとして販売。
廃棄されるはずだった食材を有効活用し、フードロス解消に貢献しています。
これは単なる食品製造ではなく、地域課題の解決型ビジネスとも言えるでしょう。
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🔸診断士としてのアドバイス
さらに成長を目指すなら、次のような展開が考えられます。
1. 学校給食や介護施設へのチャネル拡大
2. サブスク型サービスによる定期販売
3. 少量パック展開で一人暮らし・高齢者層に対応
4. IT化による効率化
原材料仕分け、軽量、加工・成形、検品にIoTや画像認識を導入
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🔸中小企業への学び
佐賀冷凍食品の事例から得られる学びは、
• 「常識を逆手に取る発想(高価格帯冷凍食品)」
• 「社会課題と結びつけた商品づくり(フードロス解消)」
の2点です。
この両輪で市場を広げつつ、企業としての存在価値を高めています。


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