🔸生活雑貨から、ほうき専門店へ
1830年創業の 白木屋中村伝兵衛専門店 は、かつては雑貨を幅広く扱っていました。
しかし「専門性こそ価値を生む」との決断から、再び ほうき専門店 に原点回帰。昔ながらの職人を確保するとともに、若手育成にも取り組み、技術の継承に力を注ぎます。材料は国内のみならず海外からも仕入れ、伝統を守りながら現代に対応する体制を築いています。
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🔸強みは「はきごこち」
同店の強みは、なんといっても コシのある“はきごこち” を出せるほうき作り。
一部のコアなファンからは「高くても買う」と評価されるほど、他にはない付加価値を持っています。
商品は「江戸ほうき(座敷ほうき)」が中心。単なる清掃道具ではなく、丁寧な職人仕事によって仕上げられた逸品です。
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🔸海外にも広がる市場
伝統的な座敷ほうきは、日本の畳だけでなく、海外では カーペットや絨毯 にも利用価値があります。
実際に海外展開も視野に入れ、グローバルな顧客に「日本のほうき文化」を届けようとしています。
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🔸「伝える」努力がブランドをつくる
白木屋中村伝兵衛専門店は、百貨店イベントなどで「1000円ほうき」との違いを説明し、品質や魅力を直接伝えてきました。
これは単なる販売活動ではなく、価値を伝える啓蒙活動 です。
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🔸診断士としてのアドバイス
ここからさらに発展させるには:
• SNS・ECサイト を活用し、海外市場向けに「江戸ほうき」の魅力を発信
• ほうき作り体験イベント を開催し、消費者自身がオリジナルのほうきを作れる仕組みづくり
• 文化・ブランドとしての位置づけ
– インテリア用品としての高級路線
– 防災用品(停電時でも使える掃除道具)
– 縁起物(「掃き清める」意味合い)としてギフト需要を開拓
つまり「はく道具」から一歩進めて、“日本文化を象徴するライフスタイルアイテム” としてブランド化していくことが鍵になるでしょう。
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白木屋中村伝兵衛専門店の挑戦は、伝統産業が専門性に立ち返りながらも、新しい市場や文化的価値を見出していく好例です。
「ただの道具」に見えるものも、強みを掘り下げ、伝える工夫を重ねれば、文化やブランドとして生まれ変わる。
それは、中小企業が持つ強みを磨き直す際の大きなヒントになるはずです。


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