【経営・リーダーシップ】経営が上手くいくポイント―「明確な強み」がある会社は強い

経営・リーダーシップ

経営が安定している会社を見ていると、共通しているのは 「明確な強みを持っている」 ことです。

強みとは単なる「得意分野」ではなく、他社が真似できない・顧客が価値を感じるポイント」。これがある会社は、価格競争に巻き込まれにくく、長く選ばれ続けます。

🔸具体例にみる「強み」の形

唯一無二の技術

 海外製と比べても歴然と差が出る、オーダーメイド紳士服の高い技術。肌触りや色の深みで勝負できる。

対応力そのものが強み

 中田スプリングは「どんな形のバネでも対応」。サカタ製作所は「屋根のあらゆる修理に応える」。お客様が「ここに頼めば安心」と思えるのはまさに強み。

精度や品質で抜きん出る

 深中はメッキのムラを最小限にし、電流効率まで考慮する加工を実現。松本興産は精密切削で顧客要求を完全に満たす。小松バネは極小バネを作る職人技。これらは技術の積み重ねが生む独自性です。

商品力の幅で勝負

 飯田屋は料理道具を8,500アイテムそろえる圧倒的な商品数。ここに行けば欲しい道具が必ずある、という信頼が生まれる。

他社が追随できないニッチ技術

 精工パッキングは「世界一細い輪ゴム」を作る力。山崎製作所は板金技術で高評価。強みは必ずしも大規模市場でなくても成立します。

工夫と発想で価値を生む

 エムシープランナーズは床カーペットを1枚ずつ買い取り、新品の半額以下で販売。富士山サーモンは山の水を引き、自然環境に近い養殖を実現。山倉の葛餅は製法の工夫で唯一の食感を出す。

日常を支える力

 ピンピンきらりは「掃除」という生活密着の領域で高い技術を確立。米沢自転車は地域の道路事業に合わせたオリジナル自転車を作り続ける。

などなど。。。

🔸中小企業が学ぶべきこと

「明確な強みがある会社」の共通点は、

1. 顧客にとっての価値が何かを突き詰めている強みを提供価値WHATに変換

2. 他社が簡単には真似できない工夫や技術がある

3. その強みをしっかり伝えている(ここはかなり重要)

です。

中小企業は「何をやっても器用にこなす」よりも、「これだけは絶対負けない」という一点突破の強みを持つことが大切。顧客はその強みに惹かれて集まり、長期的な関係が築けるのです。

🔸診断士としての視点

強みを持つだけでは不十分で、 「強みをどう伝えるか」 が経営の差を生みます。

SNSや動画で技術の裏側を見せたり、実際の利用シーンを顧客に語ってもらうことで、強みが「選ばれる理由」へと昇華します。

また、強みをベースに新しい市場や商品を展開するのも有効です。小松バネがアクセサリーに挑戦したように、既存技術を異分野に転用するのは面白い方向性です。

経営がうまくいくためには、資金や人材よりもまず 「強みの明確化」 が重要です。

「うちの会社の唯一の強みは何か?」を言語化できますか?

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