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🔸海外依存からの脱却とコロナ禍の苦境
京都・茶碗坂で陶器の企画販売を行う 東五六。
もともとは売上の多くを海外市場に依存していましたが、社長はリスクを見据えて動いていました。展示会への出展や新しい販路の開拓、そして自らがプロデューサーとなり、陶芸作家やデザイナーとコラボレーションすることで独自の商品を生み出してきたのです。
コロナ禍では売上が一時 60%減という厳しい状況に直面しました。
それでも「今できることをやる」という姿勢を貫き、止まることなく経営を前に進めた姿勢は印象的です。
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🔸強みは「プロデュース力」と「ネットワーク」
東五六の最大の強みは、陶芸作家やデザイナーと強固な関係を築き、コラボレーションを仕掛けるプロデュース力です。
さらに、器にとどまらず 内装パネル(アートパネル) など「空間演出」まで領域を広げる柔軟さを持っています。
この「器」から「空間」への発想の転換こそ、競争力を高める要因になっているのでしょう。
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🔸中小企業が学べるポイント
ここから中小企業が学べるのは、 「商品を枠に閉じ込めない」発想 です。
陶器=食器という固定観念を外し、空間デザインやアートとして価値を広げることで、新しい市場を切り開いています。
例えば製造業でも、自社の部品を「製品の一部」ではなく「デザイン要素」や「付加価値サービス」として打ち出せば、新たな展開が可能になるかもしれません。
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🔸診断士としてのアドバイス
東五六にとって次のステップは、
• 高級ホテルや飲食店、ジュエリーショップなどへの 空間プロデュース提案
• ECサイトやSNSを活用した海外展開の強化
• 海外デザイナーや建築家とのコラボによる新ブランド構築
といった方向性が考えられます。
「和の文化」や「陶芸風景」をSNSで発信することで、海外のファンを増やす余地も大きいはずです。
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茶碗坂 東五六の挑戦は、伝統的な陶器を単なる「器」から「空間演出」へと進化させた点に学びがあります。
また、コロナ禍の苦境を乗り越え、「今できることをやる」という姿勢が、新しい市場を切り開く原動力になっていると感じ、個人的に大変共感できました。
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