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🔸KPI設計の第一歩はツリー化から
KPIを設計する際、まず取り組むべきは KPIツリーの作成 です。
ただ、いきなりゼロから作ろうとすると時間もかかるし、抜け漏れも起きやすい。
私は、汎用的なKPIツリー(ベース)を、書籍からベースをパクるか、AIでテンプレを生成してしまうのが効率的だと思います。
その後にお客様とヒアリングを行い、
• 目的に沿っているか
• ニーズに合っているか
• データが取得可能か
• 現場で本当に使えるか
を確認しながらカスタマイズしていく流れが現実的です。
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🔸 KPIツリーの分解パターンは3種類
KPIツリーにはいくつかの分解の型があります。私は大きく3つに整理しています。
1. 財務分析型:利益・売上・コストといった財務指標からの分解
2. ファネル/業務プロセス型:集客 → 商談 → 受注といった流れに沿った分解
3. 結果と原因型:成果指標と原因指標を整理して因果をたどる分解
どの型を使うかで見え方は変わりますが、いずれも「上位KPIと下位KPIの関係性」を確認することが重要です。特に、アクションに繋ぐためには、「先行指標=結果(売上)に影響を与える行動プロセス(商談件数、来店数など)」を捉えることも大事です。未来の成果を示す、現場がアクションを早く打ちやすいからです。
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🔸相関と因果は違う
このとき注意しなければならないのが、相関と因果を混同しないことです。
例えば「広告宣伝費」と「売上高」に強い相関があったとしましょう。
しかしこれは、
• 広告を増やしたから売上が伸びたのか
• 売上が伸びたから広告に投資したのか
• あるいは別の第三の要因(セール回数とか)が両方を動かしたのか
判別はできません。
だからこそ、回帰分析などで関係性を確認するにしても、「因果ではない」という前提を忘れてはいけないと思います。
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🔸 KPI運用のポイントの一つ目は「アクションの質」
KPI設計はあくまで入口であり、運用が肝心です。
そこで重要なのは、改善アクションが SMARTの観点(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限) を満たしているかどうか。
ここでもAIを活用すれば、アクション案が曖昧なときに「もっと具体的に」「測定可能に」といったプロンプトを与えることで、適切なフィードバックを得ることができます。
単なるKPIの管理ではなく、改善のサイクルを回すための仕組みづくりが大切だと感じます。
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🔸KPI運用のポイントのもう一つは「現場と一体化した取り組み」
実際、運用設計をしたとしても、現場が動かない(絵に描いた餅)になるケースは多いです。
ここで重要なことは、データ分析者も熱いマインドを持ち、
現場の業務有識者と密な連携(一体化)をしながら運用していくことと思います。
以外とここは難しい(泥臭い)ですが、非常に重要な要素です。
データドリブン経営を進めるためには、粘り強く推進していきたい。
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KPI設計や運用を上手くさせるためには、「データを理解し業務と関連づけること(業務理解)」、「一定の統計学の知識を応用できること(比較、推移、関係、分布など)」、「現場の人に指導を仰ぎ、ヒアリングを進め一体化すること(運用設計)」かなと思います。とても難しいです。わたしもまだまだですが、一歩でも二歩でも前進するため、日々研鑽中です。
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