⸻
🔸データは「1つの数字」ではなく「分布」で見る
データ分析をしていると、つい個々の数字だけに目が行きがちです。
例えば、ある1日の配送単価が5,000円だったら「高い!」と感じたり、
3,500円だったら「低い…」と思ってしまいますよね。
でも、実は大切なのは「個々のデータ」ではなく「その裏側にある分布」です。
この考え方を理解するのに役立つのが、ピアソンの法則です。
⸻
🔸ピアソンの法則とは?
ピアソンの法則は、
「個々のデータを評価するのではなく、データ全体の確率分布を抑えることが重要」
という考え方です。
確率分布は、主に2つの指標で構成されます:
• 平均値:データ全体の中心
• 標準偏差:データのばらつき具合
つまり、
• 「平均を上げる施策」
• 「ばらつきを小さくする施策」
を分けて考えると、打つべき対策が明確になります。
⸻
🔸運送業の例で考えてみる
例えば、運送業で「配送単価を改善したい」という課題があるとします。
1. 配送単価の平均を上げたい場合
• 荷主への価格交渉を強化する
• 付加価値サービス(例:緊急配送、温度管理)を導入する
• 高単価案件の比率を増やす
→ これらは 「平均値を動かす施策」です。
⸻
2. 配送単価のばらつきを抑えたい場合
• 単価決定ルールを明確にする
• プロセスをモデル化し、判断の属人性をなくす
• データに基づいたシミュレーションで適正単価を設定
→ これらは 「標準偏差を小さくする施策」です。
⸻
🔸確率分布をイメージすると施策のイメージが湧きやすい
この考え方を取り入れると、
「自分が打っている施策が何に効いているのか」
がはっきり見えるようになります。
• 荷主交渉 → 平均を上げる施策
• 単価ルールの統一 → ばらつきを減らす施策
これにより、確率分布のイメージ図が変わっていくのが掴めると思います。
こう整理すると、経営層にも現場メンバーにも説明しやすくなり、
施策効果の測定や優先順位づけもスムーズになります。
⸻
要点は以下です。
• 個々のデータだけでなく、分布全体を意識する
• 平均値を動かすパラメータは何かとその施策と、標準偏差を動かすパラメータとその施策を分ける
• データ分析は「数字を眺めること」ではなく、「分布を理解すること」
ピアソンの法則を意識することで、「なんとなく良い/悪い」という感覚から卒業し、
データに基づいた具体的な改善施策が見えるようになると感じます。
コメント