以下に記載したのは、中小企業診断士的視点からのわたしの見解です。
企業が成長するための条件はさまざまですが、私が多くの事例を見て感じるのは、経営者の強い決意+一貫した経営の軸(WHAT → WHO → HOW)を持っていることです。
今後、本ブログの中でわたしが学んだ様々な実例についても掲載していきたいと思ってますが、
ここでは、その要素を整理してみます。
1. 経営者の強い決意と行動力
中小企業では、倒産寸前の危機、主要取引先の急な取引停止、金融機関からの融資ストップ、急な事業承継など、試練は避けられません。
そんな中でも、「何としてでもやり抜く」強い決意と、諦めず行動し続ける胆力が、成長企業の経営者には共通しています。
2. ミッション・ビジョン・バリューの浸透
経営者の思いを形にしたMVV(ミッション(使命)・ビジョン(将来像)・バリュー(価値観))を組織に浸透させる企業は強い。
中には「フィロソフィー(会社哲学)」として、社員全員が日常の判断基準にできるレベルまで落とし込む会社もあります。
これがスタート地点になります。
3. WHAT(強みと提供価値)の明確化
自社の強み→提供価値(WHAT)を明確にし、組織で共有すること。
例として、技術力、一貫した生産体制、長年のパートナーシップ、老舗ブランド力などなど
さらに、その強みが「お客様にどんな価値をもたらすか」を具体的に言語化します。
例えば、コスト削減、リードタイム短縮、不満や不便の解消などです。
特に、お客様の「不」の解消は「インサイト」に繋がっていきます。
これが重要なのだろうと思います。
4. WHO(ターゲット)の設定
「自社の価値を最も評価してくれるお客様は誰か?」
市場全体に目を向けるのではなく、価値が響くターゲット像を明確に絞り込むことで、経営資源を集中できます。ただし、いきなり「絞る」という意味ではなく、まずは、「その価値を認めてくれるお客様像」に広げる。その上で、自社にとって優先順位を決めて「絞る」ということだと思います(最初から絞らない)
5. HOW(提供方法)の設計
価値をターゲットに届けるための方法を設計します。
4P(Product・Price・Place・Promotion)の観点を持ち、IT化、コラボ、組織力や人材育成も含めて整えることがポイントです。
商品・サービスだけでなく、伝え方、販売チャネル、価格戦略まで一貫性を持たせます。
特に、4Pにおいては、「自社商品」と「伝え方」(その商品の歴史やストーリー)をお客様にいかに提供できるかが重要と思います。
6. 継続と文化の醸成
この流れ(強い決意 → WHAT → WHO → HOW)は、一度やって終わりではなく、年単位での粘り強い継続が必要です。
変革には反発もあり、退職者が出ることもあります。それでも前進し続けるリーダーシップこそ、経営者に求められる資質です。
7. 自分自身への戒めとして
これは中小企業に限らず、わたし自身を含めた一般企業の組織運営にも当てはまります。自らを戒め、意識と行動を一致させることを大切にしていきたいと思ってます。
わたしは企業内診断士のため実例経験は独立診断士の方に比べると少なく、ナレッジの源泉は、ほとんどがいろいろなメディアを通じた知見です。ただし、自分の弱点を知っているため、実務経験の少なさを補うべくとにかく実際の事例を学ぶ量をこなし、一つずつ自分の考えでアウトプットを繰り返し繰り返し実施する。そのようにスキルを磨いていくことで実務経験に近いスキル形成ができるのではと考えております。
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