メディアで仕入れた企業紹介です。
🔸 突然の取引停止宣告
TOKは、1925年創業の老舗機械部品メーカーです。
世界中の自販機や家具で使われる「ロータリーバンパー」をはじめ、
高精度な製品で多くの海外顧客から支持を得てきました。
しかし、ある日突然、最大手の海外顧客から言われます。
「もう御社から製品は買わない」
理由は価格競争に負けたから。
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🔸 原点回帰:「できない理由より、できる方法」
この出来事をきっかけに、経営者は自問自答されたそうです。
「うちは本当に“安さ”で勝負したい会社なのか?」と。
そこで経営者は原点に戻り、自社の強みを把握するため、得意先へのヒアリングを行い、
「なぜTOKを選んでくれているのか」を徹底的に聞き出しました。
(ここは自社の強みを把握するための最も効率的で確実な方法とわたしも感じました。
結局、自社の強み(WH AT)はお客様がいちばん理解してくれていると考えているから)
ヒアリングで浮かび上がった強みは、
「できない理由ではなく、できる方法を一緒に考えてくれる」とのことだったそうです。
この“伴走型のものづくり”こそが、TOKの最大の価値だと再認識したのです。
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🔸 高付加価値戦略へのシフト
TOKは価格勝負から一歩抜け出すため、
高付加価値製品とサービスに特化した経営に舵を切ります。
• 自販機の取り出し口で使われるロータリーバンパー
• トイレの蓋の開閉機構
• 家具のスムーズな引き出し機構
こうした「快適な動き」を生み出す技術は、
他業種にも応用できる可能性が高いはずです。
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🔸診断士としての私の視点:異業種コラボで可能性を広げる
診断士として見ると、TOKの次の一手は“異業種とのコラボ”かなと思います。
具体的には:
• 展示会や異業種交流会への積極参加
→ 家具、住宅、医療、IoTなど新市場を開拓
インテリアや防災グッズなど様々な業種で活用できる可能性あり。
ヒントはお客様や外部パートナーが持っている!
• SNS・Webで技術を見える化
→ 動画で「製品の動き」を直感的に伝える
• ものづくり教育の提供
→ 学校でのワークショップや体験授業を通じて採用力強化
• 営業と開発の連携強化
→ 顧客ニーズを早期に開発へ反映させる仕組みづくり
TOKは“部品メーカー”から“体験をデザインするメーカー”へ進化できる可能性を感じます。
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TOKの挑戦は、「価格競争から抜け出す方法」を教えてくれます。
• 最大手顧客からの取引停止という危機
• 得意先ヒアリングで見つけた「伴走型ものづくり」の価値
• 異業種展開で広がる新しい市場
高付加価値戦略にシフトしたTOKは、
「できない理由ではなく、できる方法を一緒に考える」企業として、
これからさらにファンを増やしていくのだろうと感じました。
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