🔸経営者の決意
創業1714年、社員わずか7人の鋳物メーカー・金森合金。
ウクライナ情勢による金属不足で業界が縮小する中、経営者はこう自問したそうです。
「3、400年続いた業界を、自分の代で終わらせていいのか?」
多くの人が「景気のせいだ」と言い訳する場面で、この言葉を口にできる覚悟を感じました。
🔸チームで未来を切り開く
自社商品の開発に挑戦した際、職人から強い反発を受けたそうです。
普通なら諦めるところですが、経営者は独断をやめ、外部デザイナーを巻き込み、チームで議論を重ね、結果として新商品を形にしたのです。
「伝統を守るだけでは未来はない」と腹をくくり、仲間とともに動く姿勢。
ここに、本物のリーダーシップを感じます。
🔸世界レベルの技術と新しい挑戦
金森合金の強みは、人工衛星にも使われる精緻な鋳造技術。
不純物を0.1%未満に抑える門外不出の精錬技術は、世界に誇れるものです。
その力を日用品や映画グッズにまで広げる発想は、鋳物を「産業の素材」から「生活や文化に寄り添うもの」へと変えていく挑戦。
私はこの柔軟さに強い可能性を感じました。
🔸診断士としての所感
少し気になったのは、技術の属人化(後継者育成)です。
もしその技術が一部の職人にしか伝わっていなければ、未来への継承は難しい。
だからこそ、
• 若手に伝えるワークショップ
• 工程をITでシステム化
こうした取り組みが良いのかもしれません。
🔸まとめ(全体の所感)
金森合金から学べるのは「伝統を守る」こと以上に、
変化に向き合う覚悟と、強みを仕組みにして未来へ残す姿勢 と感じます。
この事例から、私も自分の仕事において、「今のやり方を未来につなげる工夫」について少し考えたいと思いました。
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