⸻
🔸「消費者基準」で考える企業は強い
これまで多くの企業事例を見てきて感じるのは、経営がうまくいっている会社ほど「お客様基準」で意思決定しているということです。
目先の利益ではなく、長期的なファンを獲得するために「損して得取れ」の姿勢を貫く企業が強い印象です。
例えば、こんな事例があります。
⸻
🔸具体事例で見る「お客様基準」の実践
1. 試食と口コミだけで広がるスーパー
ある食品スーパーは、チラシを一切使わず、「高品質で美味しい商品」に絞って販売。
価格は高めですが、「まず食べてもらえばわかる」と無料試食を重視。
結果、口コミで固定客を増やし、広告費ゼロでも安定した売上を確保しています。
⸻
2. 同じ商品を作らない紳士服メーカー
「人と同じ服は着たくない」というお客様の声に応え、同じデザインを一度しか作らない方針に。
結果、熱烈なファンがつき、リピーター率は業界平均を大きく上回るとのこと。
「お客様の小さなこだわりに寄り添うことが最大のブランド戦略」だと気づかされます。
⸻
3. お客様ノートを武器にする食器メーカー
ある食器小物メーカーでは、お客様の声を一冊のノートに記録し、次の商品企画に活かしています。
「もっと軽い食器がほしい」「洗いやすさを重視してほしい」など、リアルな声が新商品開発の種になっているそうです。
⸻
4. 「安さ」より「良いものかどうか」で判断するスーパー
ある食品スーパーは、仕入れの際の基準を「安いか高いか」ではなく「お客様にとって良いか悪いか」に置き換えました。
結果、原価が上がっても品質を優先し、結果的に「ここなら安心して買える」という信頼が生まれています。
⸻
5. 「御用聞き」を新市場と捉えるメーカー
あるメーカーでは、お客様からの困りごと相談に「それは新しい市場だ」と捉え、製品を企画。
結果、既存事業とは異なる新製品で売上を大きく伸ばしています。
⸻
🔸気づき 消費者基準は「中小企業の最大の武器」
中小企業こそ、「お客様目線の経営」が強みになると感じます。
大企業は規模が大きく柔軟な対応が難しい分、小回りの効く中小企業こそ「顧客との距離の近さ」を最大限活かすべきです。
ただしポイントは、単なる「お客様の言いなり」ではなく、「お客様が本当に価値を感じるか」を基準に意思決定すること。
結果的に利益が後からついてくるケースが非常に多いと、これまでの事例からも実感しています。
⸻
以下の3点を意識することが大事なのかもしれません。
• 経営が上手くいく会社は「お客様基準」で考えている
• 試食・口コミ・限定品・お客様ノート・御用聞き → すべては顧客体験から発想
• 「損して得取れ」は、実は一番効率的な成長戦略
中小企業経営において、お客様目線を徹底することは“差別化戦略”そのものだと私は思います。
コメント