【事例】トネ製作所|品質を貫いた町工場がつかんだ再起のチャンス

成功事例

メディアで紹介された企業の勝手な企業診断です。

🔸契約解除の衝撃:「品質より価格」と言われて

トネ製作所は、1961年創業の板金加工会社です。

長年、パチンコ機器関連の部品を中心に売上の8割を確保していました。

しかしある日、大口取引先から突然の契約解除の申し出が──。

理由は、、

「品質ではなく、価格で決めます」

品質に徹底的にこだわってきたトネ製作所にとって、この言葉は大きな衝撃だったそうです。

「これだけ品質を追求してきたのに、そんなに簡単に切るのか…」

経営者は深い葛藤を抱えながら、やむなくリストラを決断します。

🔸偶然の出会いが開いた新しい道

転機は、ある経営者セミナーで訪れました。

たまたま隣に座ったのは、大手金型メーカーの役員。

名刺交換をきっかけに仕事の引き合いが生まれ、

そこでトネ製作所の高い品質が大きく評価されたのです。

「やっぱり品質は裏切らない」

個人的にここで感じたのは、「出会いの場を意識的に増やすことが、事業再生の大きなカギになる」ということです。こういった事例はよく耳にします。やはり出会いの場を増やすことは重要なのでしょうね。

🔸「下請け」から「自社商品」へ

トネ製作所は、板金加工の高い技術力を持ち、

複数の金型を使って複雑な形状を高精度で仕上げる職人技に強みがあります。

さらに、少量多品種にも対応できる柔軟性が武器です。

その技術力を活かし、下請けだけでなく自社製品開発にも挑戦。

誕生したのが、卵かけご飯専用スプーン「ときごごちです。

このスプーンは口コミで話題になり、ネット通販やレストランにも採用されるまでに。

品質を突き詰めたからこそ、「ファンに愛される商品」が生まれたのです。

🔸診断士としての私の視点:次の成長戦略

診断士として見ると、トネ製作所の次の成長ポイントは「ブランド化」かなと思います。

具体的には:

SNSでの発信強化

 → 熟練の技術や品質へのこだわりを動画・写真で見せる

共創型の商品開発

 → 消費者や社外クリエイターを巻き込み、新商品企画に活かす

デザイナーとのコラボ

 → 高級感のあるアクセサリーやインテリア商品に展開

ギフト市場への参入

 → ネーミングやメッセージを刻印したオリジナル製品で差別化

これらを実現すれば、

高品質な下請け工場」から「こだわりブランドを持つメーカー」へ進化できると感じました

この事例から、「品質を貫くことが最終的には差別化につながる」ということを学んだように感じます。

• 契約解除の危機を乗り越えた「品質への信念」

• 偶然の出会いがもたらした新しい顧客

• 下請けから自社ブランドへの挑戦

今後は、SNS・共創・デザインを掛け合わせたブランディングで、さらにファンに愛される企業へ成長できるのではないかと感じました。

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