【経営・リーダーシップ】経営が上手くいくポイント―「社員のマインド改革、組織力の向上」

経営・リーダーシップ

🔹はじめに

経営が好調な会社に共通しているのは、「現場が自ら考えて動く組織」であることです。

そのためには、数字や戦略よりも先に社員のマインド改革と組織文化の醸成が必要になります。

本記事では、実際に成果を出している中小企業の取り組みから、「社員が変わる」「組織が動く」ポイントを整理してみました。

🔸1. 現場が“腹落ち”する目標づくり

• 上から与えられた数字を、現場が自分ごととして理解できる工夫(松本興産)

• DX推進に現場から強烈な反発 → 経営者が丁寧に説明し、納得感を得て浸透(ハマヤ)

• 「どんぶり勘定」からの脱却。数値を見える化し、社員が経営を理解(塚田水産)

➡️ ポイント: 数字を“命令”ではなく、“目的の共有”に変えることで、現場の行動が変わる

🔸2. リーダーが距離を縮める

• 社員と直接対話し、関係を築く(井口製作所)

• 「規律重視」から「人間ファースト」へ転換。心理的安全性を高める(カホク運送)

• 経営理念を社員と共有し、3年後のなりたい姿を一人ひとりが描く(東洋)

➡️ ポイント: リーダーが“近づく姿勢”を見せることで、組織に信頼が生まれる。

🔸3. MVV(理念・ビジョン・バリュー)を“共有”で終わらせない

• 社内SNSでMVVを共有し、日常会話で理念を浸透(花岡車両)

• 社員が理念に共感しやすいよう、実現シートで個人の目標を可視化(東洋)

• ビジョンを紙ではなく「行動」で語る文化を形成(ミヤジマ)

➡️ ポイント: MVVは“掲示物”ではなく、“日常の行動指針”として機能させる。

🔸4. 組織を強くする“仕掛け”の数々

中小企業の現場では、次のような仕掛けが成果を生んでいます。

観点 取り組み例 企業

成長の見える化: 成長シートで全員の声を共有 丸昇(洋服プリント)

教育・研修: PDCAを軸に人材教育を実施 ねぎし(飲食)

技術継承 :「マテリアル技術塾」で技術継承 マテリアル

モチベーション: 社内イベントや文化祭で団結 光和衣料・山崎製作所

働きやすさ 残業ゼロ:休日120日・スキル評価表導入 タシロ

家族との絆: 社員の家族に社長が手紙を送る 会宝産業

学びの文化: 社内研修+夢シートで自己成長を可視化 アトリエHARUNA

横断交流: 部門横断のミエラボを設置 三菱化学工業

マニュアル化: 業務知識を見える化し共有 サカタ製作所

チームワーク: 朝礼でのスキンシップや名前呼び文化 山崎製作所

➡️ 共通点は「仕組みで文化をつくる」こと。

一時的な改革ではなく、習慣と環境で行動を変える工夫がされています。

🔸5. 社員が“主役”になる組織づくりへ

これらの企業に共通するのは、トップダウンでもボトムアップでもない、

「一緒に考え、一緒に変わる」組織運営です。

経営者がビジョンを掲げ、社員がその意味を理解し、自ら考えて動く。

その結果、数字では測れない“組織力”が成果を支える。

中小企業の経営改革の本質は、技術や戦略ではなく、人の意識の変化にあるのだと感じます。

🔸診断士としてのコメント

「社員が変わらない」と嘆く経営者は多い。

しかし、本当に変わるべきは「伝え方」と「関わり方」なのかもしれません。

制度やKPIの前に、“信頼”と“共感”の仕組みを整えること。

それが、結果としてDXや業績向上を支える基盤になります。

わたしも組織長として肝に命じたいと思いました。

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