1968年創業の「いわい生花」。
経営危機を迎えたとき、経営者が下した決断は「閉店」ではなく「挑戦」でした。
⸻
🔸売上9割減からの再出発
親戚の仕事がなくなり、売上の9割を失ったとき、閉店も現実的に考えたそうです。
しかし、かすみ草の仕入先から「もうやめようと思う」という声を聞いたとき、経営者はこう思いました。
「全部、うちに持ってきていいよ。その約束を守りたい」
この約束を守るという強い信念が、事業継続の原動力になりました。
⸻
🔸強みは「特殊技術」と「信念」
いわい生花の最大の強みは、生花を特殊技術で着色できること。
長持ちして、生き生きとした花を提供できるのです。
そしてもう一つの強みは、約束を守る経営者の信念。
この姿勢がブランドストーリーとして顧客の心を動かしているだろうと推察しました。
⸻
🔸自社商品「ロマンチックかすみ草」
代表商品は「ロマンチックかすみ草」。
108色ものバリエーションを誇り、バラよりも高価に取引されているそうです。
単なる花ではなく、「選ぶ楽しみ」や「豊かなライフスタイルを彩る」を提供する商品へと進化しているのだと思います。
⸻
🔸診断士としてのコメント
私の視点からすると、さらに面白い展開が考えられます。
1. サブスク型の生花サービス
記念日や誕生日など、ライフイベントに合わせて花束を届ける。月ごとに季節の花を楽しめる。
2. オーダーメイドかすみ草
108色から好きな色を選び、自分だけの花束を作る体験。
3. ライフスタイルブランド化
「上質なライフスタイルを彩る」をコンセプトに、インテリアメーカーやデザイナーとコラボした商品展開。
花を「消費財」ではなく「体験価値」に高めることで、新しい市場を切り開けると思います。
⸻
🔸中小企業への学び
いわい生花の事例から学べるのは、経営は数字だけではないということです。
「約束を守る」という一見非合理な行動が、結果として差別化された商品とブランドを生み出しました。
中小企業にとって、信念と技術をどう掛け合わせるかが大きな武器になるのだと実感します。


コメント