【勝手に企業診断】ハリマ産業|最後発のふすまメーカーが伝統を守り、新市場を切り拓く挑戦

勝手に企業診断

メディアから仕入れた企業紹介です。

🔸斜陽産業に挑む、最後発のふすまメーカー

ハリマ産業は1970年創業のふすまメーカーです。

当時すでにふすま業界は成熟期にあり、しかも住宅の洋風化が進んでいました。

「ふすま産業は斜陽だ」と言われるなかで、同社は最後発として市場に参入。

経営者は一度は転業も考えましたが、

「ふすまという伝統を守り抜く」

という強い思いで事業を続ける道を選ざれたそうです。

🔸強み:一貫製造と独自技術

ふすま製造は通常、骨作り・仕上げ・取り付けを分業で行うのが一般的です。

しかしハリマ産業は、それらを一貫して担える体制を構築。

• 独自の「浮かし張り」という糊付け技術

• 小ロットにも柔軟に対応できる少量生産体制

• 「すべてにNOと言わない」姿勢が顧客から高評価

この「一貫製造+柔軟対応」の強みが、同社の存在感を際立たせています。

🔸市場戦略:少量生産と海外展開

かつてはマンション需要に依存していましたが、現在は戸建て住宅市場へターゲットを転換

さらに、国内市場だけでなく、海外展示会に出展し販路を開拓するなど、伝統産業の枠を超えたチャレンジを続けています。

また、既存の機械を活用してドア事業にも参入し、事業の多角化にも取り組んでいます。ドア事業は、全体の売上の半分を占めているそうです。

🔸診断士としての視点:デジタルとストーリーの活用

私が感じるのは、ハリマ産業が持つ「技術と物語」をもっと広める余地があるということです。

1. ストーリーマーケティング

例えば、襖の引き戸には刀の鍔(つば)の技術が応用されているといった逸話があるらしいです。こうしたストーリーは海外の人や国内でも歴史ファンには刺さりやすく、SNSやYouTubeで発信すればブランド力向上につながるでのではないでしょうか

2. 受注業務の効率化

現状ではファックス発注が多く、形式や単位が顧客ごとにバラバラ。

そのため、一件ずつ確認してシステム入力しているとのこと。

ここに次の施策が考えられます:

OCR(文字認識)を活用して、FAX注文を自動入力

発注用のWebシステムを提供し、ペーパーレスで注文を受ける

• 顧客にとっても発注しやすく、企業にとっても効率化につながる

受注業務以外でも手作業での業務が多いのであれば、IT化による効率化の余地は多いように思いました。

斜陽産業と呼ばれても、挑戦と工夫次第で新しい市場を切り拓けることを示す好例ですね。

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