⸻
メディアで仕入れた企業紹介です。
🔸M&Aで事業を受け継いだ町工場
城南村田は、1949年創業のプラスチックトレー町工場です。
もともとは紙の卸業者でしたが、業界慣習の制約により、取引エリアを広げることができず、事業成長に壁がありました。
そんなとき、ある経営者から
「この会社を引き継いでくれないか」
という話が舞い込みます。
経営交代を引き受けたものの、
当初は既存社員からの猛反発を受けるなど、決して順風満帆な船出ではありませんでした。
それでも、経営者は粘り強く社員との信頼関係を築き、
最終的にはM&Aを活用した事業拡大を成功させました。
⸻
🔸「中小企業こそM&Aで成長できる」という考え方
城南村田の経営者は、
「中小企業こそ、M&Aを活用すべき」
という強い信念を持っています。
理由はシンプルです。
• ゼロから立ち上げるよりも、既存のリソースを活用できる
• 職人や技術、顧客基盤を引き継げる
• 事業立ち上げよりも“100倍早く”成長できる
この考え方は、少人数で動く町工場にとって大きなヒントです。
⸻
🔸従業員のキャリアを広げる組織改革
M&Aを繰り返す中で、城南村田が重視(わたしの所感)したのは「人材育成」です。
• M&Aで引き継いだ会社の社長を、従業員に任せる
• その結果、従業員は新たなキャリアパスを手に入れられる
• 「町工場の社員」から「事業を担うリーダー」へと成長できる
この仕組みが、従業員のモチベーション向上にもつながってるのではと感じました。
⸻
🔸診断士としての視点:M&A後のシステム統合がカギ
気になったのは、M&A後のシステム運用です。
会社ごとに会計、人事、給与、購買などの管理方法が異なるはずです。
これを統合しないと、次のような課題が生じやすくなります。
• 同じ業務でも複数のシステムで二重入力が発生
• 運用ルールが会社ごとにバラバラ
• 管理業務が煩雑になり、効率が低下する
提案:共通基盤を整備する
• 会計・人事・購買などの共通業務を統合したシステムを導入
• 社内マニュアルを統一し、教育・運用を効率化
• クラウド化で複数拠点からの一元管理を実現
M&Aの成否は、買収した後の「統合プロセス」にかかっていると考えます。
ここを仕組みで解決できれば、さらに成長スピードを上げられるでしょう。
🔸診断士としての推測:資金源について
M&Aを行う際の資金源は何かについて少し調べてみました。
城南村田は4人の町工場なので、大型買収は想定しづらいです。
おそらく次の組み合わせで資金調達している可能性が高いです:
1. 信用金庫+信用保証協会付き融資
→ メイン資金
2. 日本政策金融公庫のM&A専用融資
→ 補完的に利用
3. 事業承継補助金
→ デューデリ費用や専門家報酬の軽減
4. 内部留保
→ 小規模案件なら自己資金も活用
このパターンだと、借入負担を最小化しつつ、数千万円規模のM&Aをスピード感をもって進められます。
⸻
城南村田の挑戦は、「小さな町工場でもM&Aで成長できる」ことを示しています。
• ゼロからの立ち上げよりM&Aでスピード成長
• 従業員を社長に抜擢し、キャリアパスを拡大
• システム統合・マニュアル整備で効率化を図る
中小企業にとってM&Aは「最後の手段」ではなく、「成長を加速させる有効な戦略」になり得るのかもしれません。
コメント