【事例】「伝統を守るために挑戦する升メーカー大橋量器|診断士として考える、革新の価値」

成功事例

メディアで見た企業の勝手な企業診断です。

日本酒離れで升の需要が激減し、伝統産業は生き残りをかけた正念場を迎えています。

今回取り上げるのは、テレビで見た岐阜の升メーカー「大橋量器」。

伝統を守りながら革新を続ける、その覚悟と戦略が印象的でした。

🔸升需要減少という現実に立ち向かう

大橋量器は1950年創業、28人の社員を抱える老舗升メーカーです。

しかし、日本酒離れの影響で升の需要は右肩下がり。

普通なら「守り」に入りたくなる状況ですが、社長は違いました。

「伝統を残すためには、挑戦するしかない」

この言葉に、私は強く共感しました。

伝統産業に限らず、企業が生き残るためには「変わる勇気」が必要です。

守りに入った瞬間、じり貧になる。現場でいくつかの企業を見てきて、私もそう感じています。

🔸8割失敗しても諦めない姿勢

面白いのは、社長の挑戦スタイルです。

「断らない営業」でアイデアを形にし続ける一方、8割は失敗だそうです。

普通なら尻込みしそうな数字ですが、それでも突き進む。

ここで私が考えたのは、挑戦の文化をどう組織に根付かせるかということ

社員からは「変わった商品は社長の趣味だ」と揶揄されることもあったそうです。

でも、「社長自らが信念を持って行動し続けた」からこそ、「挑戦が当たり前」という空気が徐々に会社に広がっていったのではと感じます。今はそれが若手採用にも繋がっているそうです。

🔸升の新しい可能性を作り出す

升商品の多様化にも取り組まれてます。

• ワイン用升

• ジョッキ升

• メッセージ付きギフト

• おひつ

• 升を使ったインテリアカフェ

これらはすべて「升=日本酒用」という固定概念を打ち破った結果です。

さらに、升専門店やカフェをオープンし、「体験型でブランドを広げる戦略」を実践しています。

物を売るだけでなく、「升のあるライフスタイル」を提案しています。

製品を“コト”に変換する、まさに現代的なマーケティングです。

🔸診断士としての私の気付き

私自身が少し気になったのは生産体制です。

少量多品種で攻める以上、在庫・原価管理の難易度は確実に上がります。

この点をうまく運営できているか。。。。

一方で、カスタマイズできるオリジナル商品作成の可能性もあるかもしれません。

例えば、「メッセージ付き食器」や「ギフト商品」はSNS映えもしますし、オンリーワンの商品はニーズを発掘できるのではと思います。

イベントやキャンペーンでファン層を巻き込めば、さらにブランドは伸びるでしょう。

「伝統×挑戦×発信」

この3つを組み合わせたら、もっと面白い展開ができそうです。

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